みなべの製炭士原さん 県名匠表彰に決まる

写真=県名匠表彰が決まった原さん

 2020年度県名匠表彰の受賞者が決まった。今回は1人だけで、紀州備長炭製炭士、原幸男さん(83)=みなべ町清川=。表彰式は27日午前11時から県庁正庁で行われる。

 県名匠表彰は1974年から行われ、今年で48回目。選考委員会の審議を経て決定した。

 紀州備長炭の製炭技術は1974年、県の無形民俗文化財に指定された。原さんは中学校卒業と同時に父の炭焼きを継ぎ、以来2代目として67年間、「木炭の最高傑作」とされる備長炭の製作に励んでいる。現在、製炭の窯は40俵程度の大型のものが主流となっているが、原さんは25俵前後の小型の窯を使用し、「はね木」や「ほうり木」など伝統的な手法を用いて炭を焼く。89年には南部川村の林産業振興功労者表彰、2010年には日本特用林産振興会の特用林産功労者表彰を受賞。原木林の木をすべて切る皆伐ではなく、太い幹から選択して切る「択伐」という技術で原木を切り出す実績が認められ、2015年に公益社団法人国土緑花推進機構「森の名手・名人」森づくり部門で択伐技術の名人に認定された。この技術は和歌山県の製炭者独自のもので、原木林の状況を見極め、樹種や樹齢等に応じて伐採率や残存木の太さ等を判断して作業する必要があり、高度な知見と技術、経験が求められる。

 このほか「やまづくり塾」の活動を生き字引的な立場から支えており、若い製炭者や製炭業に従事する人々に山づくりの重要性を伝え、択伐の復活と技術の継承に精力的に取り組んでいる。「活動には『炭づくりは山づくり』という強い思いが込められており、卓越した製炭技術は言うまでもなく、紀州の山を守りながら製炭に励む功績は多大である」として表彰が決まった。

 原さんは「今まで大変なことはたくさんありましたが、辛抱してこれまで続けてきたおかげでこのような賞をいただけて、よかったと思います」と話している。

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