岐阜市文芸祭短編部門 林さんの時代小説が最高賞

 総合進学塾、英数スタディー(御坊市藤田町藤井)で小論文、現代文、英語などの講師を務める傍ら小説を執筆している林晋作さん(47)=御坊市野口=が第57回岐阜市文芸祭短編部門で最高賞の文芸祭賞を受賞した。

 岐阜県は、古くは島崎藤村、近年では朝井リョウ、池井戸潤、冲方丁、米澤穂信ら多くの作家を輩出している。岐阜市文芸祭は、短編・児童文学・現代詩・歌詞・短歌・俳句・川柳・連句・狂俳の9ジャンルで一般に作品を募集。それぞれ文芸祭賞・市長賞・市教育委員会賞・秀逸の4賞を設けて表彰している。

 林さんの受賞作品は「新妻の軌跡」。舞台は江戸時代の大阪・天満で、主人公は東町奉行所の町廻り同心、彦十郎。謹厳実直で長年独り身を通していた彦十郎はようやく一緒になった新妻の奈津と幸せな日々を過ごすが、見事なアンコウを手に入れた日、彦十郎のために足りない酒を買いに出た奈津は荷車と衝突し、命を落としてしまう。深い悲しみに沈む彦十郎だが、衝突の現場は酒屋とは離れた場所だった。そして、実は奈津には、生き別れの幼い娘がいたことが分かる。彦十郎はその娘に優しい心遣いを見せてやるのだった。

 原稿用紙30枚分の短編で、江戸時代の人々の暮らしぶり、主人公の心の動きなどを生き生きと表現している。林さんはこれまでにも北九州市文学賞特別賞受賞などの実績があり、執筆は毎日必ず続けている。昨年はコロナで文学賞の開催などがなく、一昨年の島崎藤村記念文芸祭・明石文芸祭ダブル入賞以来2年ぶりの入賞となった。「主人公の、実直で誠実な同心という人物造形に力を入れて書きました。まだまだ道半ばですが、結果を一つ出すことができたという点ではうれしく思います。限りある時間を大切に、引き続き精進したいと思います」と話している。

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