旗で覚えた世界の国々

 本稿を書いている時点ではまだ閉会式は行われていないが、東京オリンピック2020は8日で閉幕。前回のリオ五輪と同じく、205の国と地域が参加した◆小学生の時の夏休み、一度だけ自由研究に取り組んだことがある。友人と2人で組み、世界の国々の国旗を紹介。実際にとりかかってみると日本やフランス、イタリアなどシンプルなデザインの国旗よりも、緑の地に白い複雑なアラビア文字が並ぶサウジアラビア、獅子の絵が描かれたスリランカなどどう描いていいか途方に暮れた。アジア、ヨーロッパなどの分け方が思い浮かばず赤道で半分に分け、しかも北半球、南半球という言葉を知らないので「北部、南部」と書いた。完成させられたのかは記憶にない◆それでも五輪の入場行進で次々に国旗が登場すると、杉の絵が描かれたレバノン、黄土色で国の形を書いたキプロスなど当時一生懸命国名を覚えたことなど、懐かしく思い出す。しかし国の構成など、当時と今とではまったく違う。アフリカのザイールが今は「コンゴ民主共和国」となり、「コンゴ共和国」と区別せねばならないことなど今回の開会式で初めて知った。今ではセルビア、クロアチアなど7つの国に分かれているユーゴスラヴィアなど、世界地理についてはもう一度勉強し直したいとかねがね思っている◆国旗から一つ一つの国を調べると、事情の複雑さ、奥深さが心に迫る。テレビ画面に、さまざまな国の選手が登場する。一心に一つの目標を追い求める表情。勝利の歓喜、敗北の悔しさ。国や文化が違っても、そういった心の動きはどこの人であろうと同じ。オリンピックは、そのことを理屈抜きでしっかり確認できる貴重な機会でもあった。見ること、知ることが世界をより広げていく。(里)

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