印南原村のむかしのこと

写真=冊子を手にする塩路さん

 印南町印南原、正覚寺の前住職で町文化財保護審議委員を務める塩路善澄さん(71)が、旧印南原村の歴史と文化をまとめた冊子「印南原村のむかし、昔の事柄」を発行した。

 同村は豊臣秀吉の紀州征伐で寺社仏閣などがことごとく兵火に焼かれたせいか、古文書や昔の記録がほとんど残っていないが、「昔のことを掘り起こせば何か特徴があるのではないか」と思い立った。コロナ禍で県外での活動ができない時間を利用し、町史や日高郡市、日高鑑、紀伊風土記などを参考に時代をさかのぼって調査し、2年がかりで整理。縄文時代から昭和の町村合併で印南町印南原になるまでの間の遺跡や城跡、文化財、産業などを紹介しているほか、「高城山の宝と天狗」「五味の財宝」など、地元の民話も掲載している。

 塩路さんは稲原小・中学校、南部高校、佛教大学卒業。正覚寺の23代目住職となり、今年3月末で退いた。冊子の発行には「印南原村には52カ所ものため池がありました。これは日高地方の一つの地域の中では一番多い数。小さな印南川しかなく、水が確保できない場所でも稲作ができるように、たくさんのため池をつくり、村を支えてきました。このように真面目で努力家だった先人の生きざまに敬意を表します」とし、「冊子を通して、先人が積み重ねてきた歴史や文化をいまの若者らが知る機会になればと思います。この村に誇りを持って、村を元気づけられる大人になってほしいですね」と話している。

 A5判、66㌻。350冊を作製しており、地元の小中学校や関係者らに寄贈。販売はしていない。

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