みなべの梅農家山本さん 「匠の技 伝道師」に認定

写真=露茜の実を見つめる山本さん

 県が農業分野の優れた栽培技術を次世代につないでいこうと、今年度創設した「匠の技 伝道師」に、県内の7人が初めて認定された。日高地方からは唯一、梅を栽培している山本茂さん(69)=みなべ町清川=が選ばれた。山本さんは梅を生産して半世紀、「基本に忠実」をモットーに剪(せん)定や施肥など栽培技術の確立に先駆的に取り組み、地域のリーダーとして産地全体の安定生産に貢献していることが認められた。

 卓越した栽培技術を持つ農業者を認定する制度で、県が今年度創設した。さまざまな農産物の栽培技術を引き継いでいくことで、産地を守っていく取り組みだ。

 高い栽培技術を持って安定生産を実践し、高品質、高収量の実績を上げている人を主に認定する事業で、山本さんのほかには有田の温州みかん生産者、九度山町のカキ生産者らが認定された。

 山本さんは高校卒業と同時に家業の農業に就いており、この道51年のベテラン。30代で父の跡を継いで山本農園の2代目として梅栽培を中心にミカン栽培なども手掛けてきた。今は3代目の息子に譲っているが、現役でバリバリ働いている。

 特に梅栽培では地域のパイオニアとして産地全体の安定生産に力を注いできた。一般的に梅の木は30年で老木となり収量が落ちてくるといわれるが、山本さんは「経済寿命40年」を常に心がけ、手を抜かずに基本に忠実な剪定や施肥を実践してきた。経済寿命を延ばすことで段階的な改植がしやすくなり、畑全体としての収量を安定させてきた。自身だけでなく産地全体の収量や収益アップを常に考え、鮮やかな紅色が特徴で梅酒や梅シロップなどに高い人気を誇る品種「露茜」の生産に、清川地区としていち早く取り組みをスタートさせるなど地域のリーダーとなってきた。

 昭和後期から平成初期に梅の生育不良が大きな問題となった際は「生育不良特別会議」、県うめ研究所ができたときから組織された「紀州うめ研究協議会」の会長などさまざまな会のトップとして産地全体の課題解消に尽力。高い栽培技術と信頼される人柄など、まさに伝道師にふさわしい第一人者として認められた。

 7月7日にアバローム紀の国で認定証交付式が行われる。今後は研修会等の講師や技術を学びたい農業者らの先生としても活動する。山本さんは「特別なことではなく、基本に忠実にやってきただけですが、50年やってきたことが認められたうれしさと、責任を感じています。できることがあれば協力していきたい」と話している。

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