記憶として残る学校

 先月末には紙面上にさまざまな異動関連の記事が掲載された。教育担当の筆者は高校や中学、小学校の異動をまとめた。毎年、この時期になるとたくさんの名前を打たなければならないので大変なのだが、最近はデータで提供されることも多く比較的作業は楽になっている。紙で提供される資料もスキャンをしたりスマホのカメラで撮影し、OCR(光学的文字認識)ソフトで解析すれば文字としてデータ化されるので、技術の進化はありがたい。

 教頭から校長へ昇格する教諭は写真を撮影するが、ことしは日高地方で11人が新たに校長となった。ある教諭に撮影をお願いしたところ、筆者を下の名前で呼んでくれた。聞くと筆者が小学低学年のころ、同じ学校で教諭として赴任していたとのこと。すぐに思い出せなくて申し訳なかったが、撮影のためにマスクを外した顔を見た瞬間、ふいに当時のことを思い出した。当時の教室の感じや、若く男前で人気だったその教諭のことも。20、30年思い出すことがなかったのに、記憶とは不思議なものだ。

 先月23日には4月から志賀小学校と統合するため閉校する比井小学校の最後の卒業式があった。児童が少ないこともあり、コロナ禍でも在校生が出席し、最後の卒業生を送った。卒業生たちの別れの言葉では、これまでの6年間を振り返り「学校のことは忘れません」と、学校愛を感じる言葉が印象的だった。

 学校がなくなることは、地域住民やそれまで巣立っていった卒業生にとって、さみしいことだろう。ただそこで過ごした日々のことは、多くの卒業生や教諭、地域住民らの記憶として残り続けていく。卒業生たちの別れの言葉を聞いてそう感じた。(城)

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