炎は消えても続く聖火リレー

 今月9日に田辺で行われた東京五輪の聖火リレーでトップ走者を務めた俳優小西博之さん(61)が、美浜町を訪れたのを取材した。

 小西さんは、16年前に末期がんを患い、余命宣告を受けるも乗り越え、命の大切さを訴えている。聖火リレーでもその思いを胸に、思い出深い母校(旧田辺商業高校現神島高校)の前を力走。「沿道の多くの笑顔の応援を受けて感動した。素晴らしい経験ができた」と熱く話してくれた。そして「少しでも感謝を伝えたい。聖火のトーチは持つとみんなが笑顔になる『幸せのトーチ』。1人でも多くの人に持ってもらいたい」とトーチを持って県内各地を巡っているのだという。

 美浜町には10年来の友人である谷進介町議会議員を訪ねてやって来た。役場の駐車場で待ち合わせをしているところに筆者ら記者もお邪魔したが、聖火ランナーの衣装を着て、トーチを持つ小西さんはよく目立ち、「コニタンや」と一般の来庁舎も近寄ってくる。小西さんは出会う人皆に、「こんにちは、小西です。聖火リレーを走らせてもらいました。トーチ持ってみますか」と気さくに声をかけ、一緒に写真を撮っていた。町長室を訪ねたあとも、各課に立ち寄りトーチを披露。このあと昼食がてら三尾に行くと話していたが、三尾でも出会う人全てにトーチの重みを感じてもらったのだろうと目に浮かぶ。

 「幸せのトーチ」も貴重だが、死の淵に立つ苦しみを味わい、なお強く、なにより心温かな小西さんの人柄が素敵で人にパワーを与えると感じた。トーチの火は消えても、まだまだ小西さんの心には揺るぎない炎が燃えており、多くの人の心にリレーしていくのだろう。筆者もちゃっかり、一緒に写真を撮ってもらって元気をもらった。(陽)

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