時代とともに変化するこいのぼり

 5月5日は子どもの日で端午の節句。日本ではこの日が近づくと、こいのぼりを揚げて子どもたちの健やかな成長を祝う風習がある。ダイナミックに青空を泳ぐ光景は初夏の風物詩といえる。

 こいのぼりは江戸時代中期、男児がいる武家の家庭で紙や布などに鯉の絵柄を描いて飾ったのが始まりという。最初は黒い真鯉だけだったが、明治からは緋鯉と対になり、昭和に入って子鯉(青い鯉)が添えられるのが主流となった。「滝を登り切った鯉は竜になる」という中国の登竜門伝説にちなんでいる。鯉を揚げるのぼりの先端に付いている丸い「天球」は、神様を呼ぶための目印。そのすぐ下の「矢車」はカラカラと音を立てて回り、神様に「ここにいるよ」と気づいてもらうためだという。

 数十年前まではこの時期になると、競い合うようにこいのぼりが揚げられていたが、最近ではめっきりと見かけなくなった。要因は少子化が大きい。第2次ベビーブーム(1971~74年)をピークに減少傾向で、近年の販売数はピーク時の半分程度になっているという。他にもマンションなどの集合住宅に住む若い夫婦が多くなり、揚げる場所がなくなったことも影響している。最近では室内やベランダに飾れる小さなこいのぼりが増えているという。

 童謡「こいのぼり」で「屋根より高いこいのぼり♪」という歌い出しだが、あと数十年もすれば「そんなこいのぼりは見たことない」という子どもが増えるかもしれない。しかし、子どもの健やかな健康を願う気持ちはいつの時代も変わらない。子どもの日に、その気持ちを再認識することが何よりも大切だ。(雄)

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