イラストレーター中川さんがギャラリーオープン

写真=展示作品の前で笑顔の中川さん

 人気絵本「わすれんぼうのサンタクロース」等で活躍するイラストレーターの中川貴雄さん(41)=御坊市湯川町富安=が2日から、御坊市薗の本町商店街に「トリノスギャラリー」を新規開店した。東京を拠点に活動していたが、昨年帰郷し市の商店街空き店舗対策事業の認定を受け、ギャラリーをオープン。「ワークショップなど、地域の子どもたちの成長へ力になれれば」と意欲的に話している。

 中川さんは御坊商工高(現紀央館)を卒業後、大工の見習いなどをし、その後、アルバイト先の御坊のコンビニで手がけた商品宣伝のPOPが店長の目にとまり、「大阪にイラストの専門学校があるから行ってみたら」と勧められた。

 それがきっかけで、大阪市にある大阪デザイナー専門学校で3年間学んだ。一日3時間のバイトでぎりぎり生活できる収入を得て、残りの時間はすべて絵に注ぎ込む日々。大変だが好きな絵を思いきり描くのは楽しかった。コンペやアートイベントに積極的に参加したが、なかなか職業にまでは結びつかず、作品を抱えて2週間ほど東京に滞在し、アート関係の会社や出版社に持ち込み営業したところ、一つの仕事をもらえた。それが次の仕事につながり、少しずつ活動の場が増えていった。

 2010年、結婚を機に本格的に上京。みんなが知っている昔話をオリジナルの絵に仕上げた作品展を開催するなど独自の活動が評判を呼び、2016年、念願の絵本「わすれんぼうのサンタクロース」(文=中川ひろたか)が教育画劇から出版された。現在まで版を重ねる人気絵本となっており、今では年間3冊ほどのペースで絵本制作を続けている。

 そのほか、福井自然史博物館分館の内装、大阪市営地下鉄中央線緑橋駅のホームの壁画など大きな仕事も手がけ、海外のブランドとコラボするなど活躍の場は広がっている。

 9歳、6歳、0歳と3児の父となった中川さんは「子どもたちをのびのびできる環境で育てたい」と、昨年7月に帰郷。以前から親交のあった、本町商店街で帽子店「フロンティアキング」を経営する藤原晋作さんから空き店舗対策事業補助金のことを聞き、隣の空き店舗で作品を展示販売するギャラリーのオープンを決めた。

 「トリノスギャラリー」の名は、ひなが生まれ巣立つ鳥の巣のように、絵やものづくりのワークショップで地域の子どもたちが成長する場にしたいとの願いも込められている。内装を絵が映えるよう白と黄色に塗り替え、はがきサイズやB5サイズの作品など約500点、マグカップなどグッズを展示販売。営業時間は午後1時から5時まで。不定休。

 「自分の絵を見てもらうのはもちろん、人と人とのつながりの場、子どもたちが明るい気持ちになれる空間にできればと思っています」と話している。連絡はメールで。アドレスはgobo@ekakino-nakagawa.com

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