MホッケーW杯東京大会中止
- 2021/1/13
- 日高春秋
ことし夏には、コロナ禍のため昨年夏から1年の延期となった東京オリンピックの開催が予定されている。一方、一度は延期と決まったがその後に中止が決定された、東京が舞台の国際的スポーツ大会もある。マスターズホッケーワールドカップ東京大会だ◆この大会については、グランドマスターズホッケー選手で多くの国際試合出場経験を持つ妹背修治さん(美浜町)から聞いた。日本は決してマスターズホッケーが盛んな国ではない。今回、東京大会の開催が決まっていたのはひとえに東京五輪のおかげ。これまで国内にはなかった大規模なホッケー場が整備され、世界大会の開催が可能となった。夏季五輪が日本に決まるという、そうそうあることではない千載一遇のチャンスがもたらした決定である◆しかしせっかくのその決定が、新型コロナ禍という未曽有の災厄のため立ち消えになった。妹背さんが知らせてくれた時には、あまりのことに言葉がなかった。妹背さんの国際試合出場数は95回。出場していれば100回を達成できたかもしれない他の国際大会も、コロナ禍で中止となった◆10年前、妹背さんは高齢者向けのホッケー本がないことから「自分で書けばいい」と、ブックレット(小冊子)の形で発行を始めた。先ごろその5巻目が発刊。自身の経験を分析しながら、心構えやプレーの極意を詳述。実際にマスターズホッケーで国際大会に出たい人が読めば役立つように、実に具体的にきめ細やかに書かれる◆何に関しても、先行きがどうなるか誰にも読めない時代である。ただ目の前のことを丁寧に、誠実に消化していく。潮目が変わった時、それが力になる。妹背さんの著書を読んでそのことを実感しつつ、いい潮流が早く到来することを祈った。(里)