誰もがドラマの主人公

 映画やドラマは定額動画配信サービスで見る時代。いつでもどこでも視聴でき、「鬼滅の刃」のテレビシリーズもあって、世間にのろうと見始めたが、面白さよりも眠気が勝り、途中で止まったままとなっている。

 そんなオッサン世代にとって、若い頃はドラマも音楽もバラエティも、情報元はすべてテレビ。いまや絶滅したビデオデッキもまだなかったが、第1話から最終回まで毎週欠かさず見たドラマは多い。

 名作としてドラマ史に輝く「3年B組金八先生」。マッチや三原順子が生徒を演じた第1シリーズはいまから41年前に放送され、金八先生が定年を迎えた2011年まで32年間にわたり制作された。

 先日の読売新聞に、40年前の第2シリーズで加藤優を演じた直江喜一さん(57)の特集が載っていた。放送当時、小学生だった筆者は教室で暴れる加藤が立派な大人に見えたものだが、いま見返してもとても17歳には見えない。

 印象深いのは「卒業式前の暴力」と題した最終回前の2回で、学校に警察と機動隊が踏み込み、中島みゆきの「世情」が流れる演出以上に、加藤の存在感が際立ち、視聴者を釘づけにした。

 そんな加藤(直江さん)はいま、大手建設会社の営業部長を務めている。金八以降の役者人生は泣かず飛ばず、不良生徒の印象が強烈過ぎ、たまにもらう役もチンピラばかり。家族を養うため、過去の自分を捨てた。

 市井のごく「普通」に見える人も、知り合って話をすれば「すごい人」だったというのは誰もが経験的に理解できるはず。直江さんの半生にあらためて、人は誰もがドラマの主人公であることに気づかされる。記者として気負うことなく、紙面を通じて多くのドラマをお届けできればと思う。(静)

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