証拠なければあきらめよ

 米大統領選はようやくバイデン氏が勝利宣言を行った。選挙最終盤に猛烈な追い上げをみせ、一時はこのまま差し切るかに思えたトランプ氏。各地で集計作業の停止を求める訴訟を起こし、絶対にあきらめないと鼻息も荒い。

 「昨夜の時点で私は民主党が支配する多くの主要な州で確実にリードしていた。しかし、驚くほど大量の票が各州で集計された結果、まるで魔法のように得票差が消えてしまった。非常に奇妙だ」。トランプ氏のツイートである。

 驚くほど大量の票というのは郵便投票のこと。絶対に落とせない激戦州では、郵便投票の集計が始まって以降、一気にバイデン氏が票を積み上げ逆転してしまった。
 郵便投票用紙は全有権者に送られるが、州によっては有権者の把握がいい加減。引っ越した人や死んだ人にも送られることが少なくなく、ある州では以前、2万人以上の死者が有権者登録されていたという。

 選挙人名簿のずさんさは、民主党勢力の強い州ほど顕著で、今回もこうした郵便票の偏りは両陣営が予想していた。郵便受けに置き去りの投票用紙が相手陣営に持ち去られたというトランプ氏の主張も、なんら根拠がないわけではない。

 それにしてもトランプ氏の提訴。いわゆる訴訟国家ならではの発想か。日本人の目には往生際の悪さがこのうえなく、世界に冠たる民主主義国家、その民意を覆すというのなら、決定的な証拠を示さねばなるまい。

 意に沿わぬ側近を次から次へ更迭するなど、自らの言動を振り返れば、さすがに敗北も予見できたはず。「トランプVSトランプ以外」ともいわれた独り相撲、予想以上の善戦は認めるが、これ以上の悪あがきは国益を損ねかねない。(静)

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