
コロナ禍の外出自粛で家庭ごみが増え、全国的に不法投棄が問題となっているなか、日高川町では早藤(はいくず)と松瀬を結ぶ川辺大橋下の日高川に、今月に入って3週連続でごみの不法投棄が繰り返された。県職員が川に入って中州に捨てられたごみを回収するも、数日後にはまた同じ場所に捨てられるいたちごっこが続いており、県と御坊署は現場に不法投棄禁止の看板と監視カメラを設置した。
不法投棄が最初に確認されたのは今月1日ごろ。川辺大橋の上から日高川の中州部分に、一斗缶やすだれ、プラスチック製品など軽トラック1台分ほどの家庭ごみが捨てられていた。地元から連絡を受けた日高振興局建設部の職員が現場を確認のうえ、4日に胸まである胴付きゴム長を着用して川に入り、中州に散らばったごみを撤去した。
ところが、中州がきれいになったのもつかの間、9日にはまた同じ場所に灯油などを入れるポリ容器、一斗缶、さびた工具類、布、軍手などが散乱。振興局建設部の職員が再び川に入って回収したが、16日にはまたも同じ場所に今度は真っ二つに切断された自転車、金属パイプの屑などが捨てられた。
この3週連続の不法投棄を受け、日高振興局建設部は御坊保健所、御坊署と連携し、橋の上4カ所に「不法投棄監視カメラ・監視エリア」という看板のほか、「不法投棄は犯罪」「5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金に処せられる」という警告文つきの看板を設置。さらに橋の周辺4カ所に監視カメラも設置した。
これらの動きをあざ笑うかのように、17日には松瀬と和佐の境界付近の日高川左岸に、汚れたポリ容器5個、ビーチパラソル、ドラム缶用のポンプ、柱を切ったあとの屑などが捨てられていたという。
御坊保健所管内(みなべ町を除く日高地方6市町)では県の条例に基づき、毎日、環境監視パトロール隊が地域を巡回中。今回の一連の不法投棄については、これまで撤去したごみから所有者が分かるようなものは見つかっていないが、住民に対しても、不法投棄を見つけた場合は日高振興局建設部管理保全課℡0738242931、または御坊署℡0738230110まで連絡するよう呼びかけている。
写真=家庭ごみが捨てられていた川辺大橋の現場