みなべの2団体が世界農業遺産守る植樹活動

 みなべ町の梅郷クラブやみなべ川森林組合が15日、世界農業遺産の住民提案型事業として、東本庄地内の山の斜面の耕作放棄地に広葉樹やウバメガシを植栽した。梅郷クラブはニホンミツバチの蜜源の森の創出、森林組合は紀州備長炭を次代に引き継いでいくために原木であるウバメガシを育成しようと実施。世界農業遺産である梅システムを後世につなぐ具体的な取り組みとして注目されている。

 梅郷クラブと森林組合の取り組みは別々の事業で、それぞれ住民提案型地域活動支援事業の補助金を活用しているが、同じ場所で同じ日に合同で行った。世界農業遺産を若い世代に伝えていく「まちキャンパスプロジェクト」の一環として和歌山大学の学生や南部高校異文化交流部の生徒も参加。総勢約40人が急こう配の斜面で作業に汗を流した。植えた木にはシカやウサギなどの食害から防ぐためにネットで覆った。

 梅郷クラブは、梅システムの中で梅の受粉という重要な役割を担うニホンミツバチが近年、減少していることに危機感を持ち、蜜源の森計画を発案した。ミツバチのすみかとなり、蜜を一年中集められるように季節ごとに花を咲かせようとヤマザクラ、ヤブツバキ、トチノキ、サザンカなど8種類の広葉樹160本を植えた。同クラブのプロジェクトリーダーの中井貴章さん(29)は「ニホンミツバチが増える環境を整えようと初めて取り組んだ。さまざまな木を植えることで豊かな森づくりにもつながると思う。人工林が放置されて山が荒れていることが問題となっている中、今後も規模を拡大して植樹することでモデル的な取り組みになれば」と話していた。

 森林組合は、原木不足が課題となっていることを受け、将来的に豊かな薪炭林を取り戻そうと、ウバメガシ200本を植栽した。松本貢参事は「世界農業遺産について多くを学んだ。これからはどう実践していくかが重要。未来に何をつなぐか、私たちは原木となるウバメガシを植えることで、土砂崩れを防ぎ梅畑を守る薪炭林を育成していく。ウバメガシが育つのに何十年とかかるが、将来に紀州備長炭をつなぐための活動であることを地域住民の皆さんにも知ってもらい、一緒に取り組んでいきたい」と話している。

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