県立高校再編案 懇談会で学校減少に不安の声

 「きのくに教育審議会」が答申した県立高の再編案について、住民から意見を聞く県教委の地方別懇談会が7日、有田川町のきびドームで開かれ、一般住民や学校関係者、PTA関係者らが参加。全日制高校を3分の1程度減らすことを目標とする再編案に対し、参加者からは選択できる高校が減ることや学校がなくなることによる地域の衰退など、不安の声が上がった。

 きのくに教育審議会は、県教委の諮問機関。県立全日制高校を現在の29校から今後15年で20校程度に減らすことや、分校についても再編整備の必要性を指摘した。県教委ではこの答申を受けて、県内5地域で懇談会を実施。今回は紀中エリア(海草・有田・日高地域)対象に3回目となる。

 懇談会では清水博行教育企画監が「今後、人口が減少していく中、現状では県立高校の小規模化が進み、活力や多様性、魅力が低下し、地域外や県外への進学者が増えることで地域活力の低下が懸念される」とし、再編について説明。具体的な学校名は出ていないが、紀中エリアでは普通科高校を海草、有田、日高の各地域に1校ずつ整備し、他に普通科と専門学科を併設した高校1校、総合学科と専門学科を併設した高校1校の合計5校程度に再編整備すべきとされている。

 質疑応答では宮﨑泉教育長と清水企画監が登壇。紀央館高校の関係者は「日高地方で普通科が1校になれば、高校の活性化の面でも心配。紀央館の工業技術科は求人が多く、中学校で目立たなかった子が活躍するケースもある。こういった各校のいい要素を考慮してほしい」と要望した。

 南部龍神分校の関係者は「龍神村の子どもたちが減っているなど当初の設立目的とは異なっている現状だが、学校の存在は地域の過疎対策になっている。存続させてほしい」と、教育面以外でも学校の必要性があることを強調。小規模校の関係者も「人となじむのが難しい子がボランティア活動などを通じて成長するなど、小規模校には小規模校の役割がある」と主張し、このほか「高校までは生まれ育った地域で勉強すべき」など、学校数減少による不安の声が大半を占めた。

 このほかにも、「コロナ前の答申なので、リモート教育なども考慮すべき」「先生の素質を高めるべき」などという声があり、時間いっぱいまで質問が続いた。

 県教委では今後も要望に応じてグループや団体向けに懇談会を開くことを説明。今後のスケジュールについては年内を目途に具体的な学校や時期などを盛り込んだプログラム案を作り、パブリックコメントを経て、来年3月末の再編実施プログラムの策定を目指す。

写真=宮﨑教育長らに質問する参加者(7日夜、きびドームで)

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