生物部の伝統を後世に 

 第64回日本学生科学賞の県審査で、日高高校生物部のスズメ調査班3人の研究が最高の県知事賞を受賞した。知事賞は2014年に続き2回目の快挙となる。

 3人の研究タイトルは「電柱はスズメの減少を止めているか?~スズメの営巣と腕金の関係性に迫る~」。電柱の上部に取り付けられている腕金という筒状の金属がスズメの巣作りの場となっているかの検証。腕金での巣作りは〝鳥類業界〟では注目されており、3人は日高地方での現状を調べた。

 3人は腕金に巣があるかどうかを調べるため、学校周辺と美浜町和田地内で273本を目視で確認したが、驚いたのはその調べ方。スズメが巣から外に出ている可能性もあるので、1本につき15分目視するというもの。調査は5~9月に3人で分担して行ったようだが、暑い夏の中も電柱1本1本調べていくのは大変だっただろう。実際、3人もその作業が最も大変だったと話していた。しかしその努力のかいがあって最高の知事賞に選ばれており、このまま中央審査も突破し、全国発表の場に進めることを願いたい。

 3人がスズメの調査に乗り出したのは、過去のデータでスズメの減少が顕著だったからだ。同校生物部では1966年から毎年、鳥類の調査を行っており、50年以上の蓄積データを持っている。2014年にもこのデータをもとにした研究で知事賞を受賞している。

 学校の休みの日も利用するなど、鳥類調査は生半可ではできない。そんな中、蓄積してきたデータは伝統校ならではで、日高地方の鳥類環境を把握する上でも重要となるだろう。今後もずっとこの調査を引き継ぎ、未来の生物部の研究に役立つことを願いたい。(城)

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