御坊で発見 ガンメンガニの化石公開中

 御坊市湯川町財部、松本新一郎さん(71)が9年前、塩屋町の御坊工業団地で発見したカニの化石が、県立自然博物館のその後の調べで、恐竜が生息していた中生代白亜紀後期(7200~6600万年前)のガンメンガニであることが分かった。和歌山県内での産出は初めてで、これまで化石が発見されていなかった化石空白域から見つかった珍しい事例という。11月中旬まで同博物館で展示している。

 松本さんは趣味で古銭等を収集しており、化石にも興味があり独学で勉強していた。2011年3月、御坊工業団地近くで山を削る仕事をしていたとき、化石が残りやすいノジュール(石の塊)を見つけ、ハンマーで割って中から化石を発見していた。大切に保管していたが、昨年4月、県立自然博物館に持ち込んで調査してもらっていた。

 化石に詳しい小原正顕主任学芸員が、甲殻類の化石の専門家である柄沢宏明氏と共同で研究した結果、ガンメンガニの化石と断定した。体長は1・5~2㌢。これまで北海道と淡路島でも産出されている。後期白亜紀(1億~6600万年前)から新生代暁新世(6600~5600万年前)に生息していたと推定される絶滅種。詳しい生態は分かっていない。

 御坊市内で化石が発見されること自体珍しいという。小原主任学芸員によると、御坊周辺に分布するのは日高川層群の美山層、竜神層、丹生ノ川層で、ガンメンガニが見つかったのは丹生ノ川層で、この層から化石が発見されたのは初めて。御坊は白亜紀の1億年前から古第三紀(白亜紀の次の時代)の5000万年前、深い海が隆起して形成された土地。もともと生き物があまり生息していない深い海の地層はそもそも化石が少なく、今回のように見つかるのは非常に珍しい。小原主任学生員は「今回の発見が丹生ノ川層の年代を確定させるものではないが、後期白亜紀を特徴づける化石が得られたことには大きな意義がある。本地域の地質構造や堆積年代の研究を進めていく上で役立つ資料になる」と話している。

 松本さんは「カニの種類が分かって感無量。恐竜時代に生息していたということでロマンがある。展示を見に行くつもりですし、多くの人に見てもらいたい」と喜んでいる。

写真=松本さんが発見したガンメンガニの化石

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