大阪都構想の住民投票に注目
- 2020/9/5
- 日高春秋
18歳のプロ棋士、藤井聡太8段が注目されている。将棋界の8大タイトルのうち王位戦と棋聖戦の2冠を達成、次々と最年少記録を塗り替えている。将棋ブームという訳ではないが、筆者も最近、将棋ソフトをダウンロードし、詰め将棋に夢中。駒が配置された局面から王手を連続させ、相手の玉将を詰めるという将棋のルールを用いたパズル。人の名前がすぐに出て来ないこともあり、頭の体操と思って暇な時間を利用して楽しんでいる。
プロの将棋では序盤の局面から長考することは珍しくない。プロ棋士の佐藤康光9段は「長考は正しく迷えること」といい、いくつもの選択肢の中から最善の1手を選び出すために時間をかけて考え抜く。筆者の詰め将棋でも長時間考えると、「こんな手があったのか」と見落としていた好手に気づき、正解を導き出すこともある。
いま、注目されている大阪都構想は2008年に大阪府知事に就任した橋下徹さんが大阪府と大阪市の二重行政の弊害を解決する一手として提案。15年5月に住民投票が行われたが、反対70万5585票、賛成69万4844票の僅差で否決された。しかし、3日の大阪市議会で大阪都構想の協定書が承認され、もう一度、住民投票が行われることが決まった。日程は10月12日告示、11月1日投開票。
大阪都構想の正しい判断は将棋のように考えることは難しい。しかし、問題を解決する好手となるのか、それとも悪手なのかの決断を下さなければならない。有権者の持ち時間は十分に残っている。長考して最善と思われる1手を考え抜き、1票を投じてもらいたい。住民が下す次の1手に国民が注目している。(雄)