多文化共生も元をただせば…

 米国でまたも白人警察官が黒人男性を傷つける事件が起きた。車に乗り込もうとした男性に対し、警官が背後から7発も発砲。撃たれた男性は重傷を負った。

 ニュース映像を見る限り、男性は無抵抗に見える。一部報道では、男性がドアを開けて前かがみになったため、警官は男性が凶器を手に攻撃するかもしれないという判断で発砲。後日、運転席からナイフが見つかったという。

 この件は明らかに、大統領選を前にトランプ派と反トランプ派のメディアがそれぞれの思惑から、ニュースの扱いが過剰になっている。そもそも日本人には感覚的に理解が難しい。

 日本人のカナダ移民に詳しい工藤美代子さんによると、カナダ人にとってはよそから入って来て、自分たちの資源である魚を獲ったり木を伐って稼ぎ、せっせと本国に送金する日本人が泥棒のように思えた。

 自然、トラブルが起こり、排斥があるから同化しようという気にもなれず、日本人だけのコミュニティーが形成され、選挙権は求めても与えられない。「平和的な侵略」を恐れたのだという。

 ならば、カナダ人たる彼ら白人はどうか。多文化共生を謳いながらも、英国とフランスが先住民を追いやる形で植民地化し、その後に独立してまだ150年ほどしかたっていない。元をただせば同じ穴の貉ではないか。

 中国共産党に自由と民主主義を奪われた香港も、元はといえば大英帝国がアヘン戦争で奪い取った島。いま、その香港と中国本土から大量の中国人がカナダへ移り、摩擦が起きている。

 日本も今後、外国人労働者を受け入れ続ければ、同じ問題に直面する。摩擦は避けられないが、差別は互いにぶつかった瞬間にその影が薄くなる。日本は乗り越えられると信じたい。(静)

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