紀伊半島3県知事がウェブ会議
- 2020/7/10
- 政治・経済

和歌山、奈良、三重の3県知事が広域的な課題について話し合う紀伊半島知事会議が9日、ウェブ会議形式で開かれ、観光や防災、地方創生などで一層連携を深めていくことを確認した。コロナ禍の観光振興は3県民限定の誘客キャンペーンの実施、防災については奈良県での大規模広域防災拠点整備計画の支援を3県で国に要望していくことなどで合意した。
仁坂吉伸和歌山県知事、荒井正吾奈良県知事、鈴木英敬三重県知事が各県庁でパソコンの前に座り、意見交換した。新型コロナ対策については、「早期発見、早期隔離、行動履歴の調査を徹底することが重要」などと確認。大打撃を受けた紀伊半島の観光産業の復活を支援するための協議では、仁坂知事が「当面は近郊への旅行市場が主となり、3密を避けるべく自然や解放感のある地域の需要の高まりが予想される。3県民を対象に『今だからこそ、近場で楽しもう キャンペーン』を実施しては」と提案。期間は9月1日から来年2月14日までとし、3県のうち2県の宿泊施設を利用すれば抽選で宿泊券などのプレゼントが当たるようにしてはどうかと説明した。荒井知事は「奈良県民は全国で金持ち度が一番高いので、近隣で金を使うようぜひターゲットにしてほしい」、鈴木知事も「紀伊半島の吉野・高野・熊野で連携した観光キャンペーンができれば」と賛同した。
防災面では鈴木知事が「紀伊半島大水害から来年で10年の節目を迎える。3県でシンポジウムや合同の防災訓練をやっていこう」と提案。荒井知事からは紀伊半島の中心部に位置する奈良県五條市に計画している、2000㍍級滑走路を備えた大規模広域防災拠点の整備計画について説明があり、緊急防災・減災事業債の活用が可能となるよう、3県で国へ要望することを申し合わせた。また、今年度で3カ年の計画が終了する国土強靭化対策の延長や京奈和自動車道、近畿自動車道紀勢線、国道168号、国道169号含めた道路ネットワーク「紀伊半島アンカールート」の整備促進を国に求めていくとした。
仁坂知事は会議終了後の会見で「一緒に進めていくべきこともありプラスになるが、それぞれの知見を交換して真似していくべきところもあり、意義深い会議となった」と話した。
写真=パソコンの前に座って仁坂知事が荒井知事(モニター左)、鈴木知事(同右上)と意見交換