未来の本屋さんが現実の本屋さんに

 4年余り前、本欄で「未来の『本屋さん』に出会う」と題して一文を書いた。日高川町の書店イハラ・ハートショップで、「本屋さんになりたい」と全国の書店を巡っている長崎県の若い女性に出会ったという話だ◆「すごい本屋」の著書もあり、山あいの小さな書店ながら著名な作家を呼んでイベントを展開するバイタリティあふれる井原さんは「有名」で、会ってみたかったのだという。そういう彼女の故郷は長崎県五島列島の福江島。小さい頃から親しんでいた書店が閉店し、以前の勤務をやめて「自分が本屋さんをやりたい」と勉強のため書店巡りの旅に出た◆記事で紹介し、掲載紙をお送りして3年。井原さんから彼女が「本当に本屋さんになった」と教えていただいた。ご家族を説得するのに新聞記事は効果を発揮したとのことで、うれしい限りであった◆ネットラジオ「本とこラジオ」の書店員さんリレートークコーナーに井原さん、続いて彼女すなわち「本処(ほんどこ)てるてる」の橋本美幸さんが出演。早速聴いてみた。本屋さん巡りの旅について語り、イハラ・ハートショップのほか、暗闇の中で懐中電灯を使って本を探す書店、中にカフェのある書店とさまざまな本屋さんに出会ったとのこと。書店の全国的な減少傾向はかなり以前からいわれているが、個人が自由な発想で営む古書店は「むしろ最近増えている印象がある」という◆ネットで「本処てるてる」の写真を拝見した。近くならぜひ立ち寄ってみたい、ほっと心和ませてくれるたたずまいのお店。「夢を実現した」という実例は、どんなジャンルでも心強さを感じさせてくれる。「活字離れ」の昨今、本好きとしては、本にかかわる実例ならなおのことうれしい。本との出会いは人との出会いを連れてくる。(里)

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