平和が身にしむ黒川騒動

 いったい何の騒ぎだったのか。検察ナンバー2の黒川東京高検検事長とナンバー4の林名古屋高検検事長の総長争いがこじれ、検察庁法改正案への芸能人らの抗議ツイートが降ってわき、最後は黒川氏の賭け麻雀が発覚、辞任で一応の決着がついた。

 一緒に卓を囲んでいたのは大手新聞社の記者ら。問題の発覚前は政権とズブズブといわれていたが、じつはマスコミとズブズブだったわけで、罪を追及する人間とその権力を監視する人間がまさか同じ穴の狢だったとは。

 仲間内の遊びとはいえ、1円でも賭ければ刑法が定める賭博行為であり、黒川氏本人も認めているのになぜ立件しないのか。過去にはギャンブル好きの芸能人が逮捕された。今回の件を不問にすれば、日本の警察、検察は二度と賭博を摘発できなくなる。

 残念ながら高検トップが大失態を演じたが、日本の治安は揺るがない。何かあっても通報すればすぐに警察が駆けつけるし、ごく一部に不祥事を起こす者がいても、他国に比して日本の警察の倫理観は極めて高い。

 いわゆる発展途上国では、銃を持つ警察官が管内の商売人に賄賂を要求し、パトカーで毎月、家々を一軒ずつ回って集金。外国からの旅行者は軽微な交通違反で呼び止められ、暗に賄賂を要求されることもあるとか。

 国民の奉仕者である公務員の警察がなぜ、これほど腐敗するのか。それは何より給料が安く生活ができないからで、給料が安いのは経済がうまく循環していないため。ようは政治が安定しないからである。

 そんな国は決して珍しくはなく、日本の治安、政治の安定は先進国の中でも群を抜く。一連の黒川騒動を見ながら、あらためて日本の平和とそのありがたさが身にしみる。(静)

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