
創業支援セミナーinわかやま実行委員会(事務局=わかやま産業振興財団)の第5回ビジネスプランコンテスト発表会が和歌山市の和歌山ビッグ愛であり、最終選考枠8人に入って出場権を獲得した不動産業・株式会社和み(同市)の古田高士代表取締役(39)=印南町印南在住=が、特別賞のグッドプラン賞を受賞した。古田氏は「不動産証券化の仕組みを活用したまちづくり」を提案し、評価された。
農林漁業、商工業、福祉、観光業などさまざまな分野を対象に和歌山での新しいビジネスモデルを発表する場。今年は40人を超える応募があり、うち8人が選抜され、発表会に出場した。
初出場の古田氏は不動産を投資対象に組み込んで、広く投資家に小口化した商品にして売却する仕組みとなる不動産の証券化を活用したまちづくりについて発表。「例えば地方では空き家の増加が深刻な問題になっている。この空き家を地域住民が投資家となって出資して購入し、賃貸料などの収益をみんなで分配。まちづくりに無関心な人も多いが、自分たちが出資することでまちづくりに取り組むきっかけにもなる。ここに行政や金融機関も連携し、地域一丸となってまちづくりを進めてはどうか」と提案した。
印南原出身。日高高校を経て立命館経済学部経済学科に進み、卒業後は東京の不動産会社に勤務。24歳の時に、超難関の三大国家試験の一つとされる不動産鑑定士資格を取得。仕事の傍ら早稲田大学大学院ファイナンス研究科に学び、30歳の時にはМBA(経営管理学修士)の学位も授与された。仕事で和歌山市のまちづくりに携わる中で、あらためて故郷の和歌山で仕事がしたいと思い、妻と子供3人を千葉県に残して6年前、単身赴任で印南地内に引っ越し。昨年8月1日には自身を含め県内外6人の不動産鑑定士で現在の会社を立ち上げた。4月1日からは和歌山市の本町公園を民間会社が管理してまちづくりに寄与する「Park PFI事業」にも参画する。
今回の受賞に際して「不動産証券化のまちづくりは、ただの提案で終わらせては意味がありません。大事なのは実行すること」と強調し、「Park PFI事業は和歌山市で実績を積み、紀中、紀南地域でも展開していきたい」と話している。
写真=町づくりの思いを語る古田氏