江川駐在所新築移転 勤務員の松本警部補も心機一転

 27年ぶりの建て替え工事が完了した日高川町江川、御坊署江川駐在所で業務がスタートした。今年9年目となる勤務員の松本浩伸警部補(59)も、定年退職前最後の1年へ心機一転。事件事故の抑止とともに、新宮署時代の2011年に発生した紀伊半島大水害の経験から、同じく被災した日高川流域の駐在所で無災害を願い、地域住民との交流の中で防災意識を育んでいる。

 1993年に建てられた駐在所の老朽化に伴う新築移転。新駐在所は旧駐在所から東へ約40㍍、丹生郵便局東隣に建築された。木造平屋建て、延べ床面積約110平方㍍。約10畳の執務室には訪れた人に対応するコミュニティスペースが新たに設けられている。

 松本警部補は79年に警察官となり、交番・駐在所の「お巡りさん」やパトカー勤務員の地域畑ほぼ一筋。地域に密着、住民とのコミュニケーションを大切に、安全安心なまちづくりへ奮闘している。

 11年9月3日の台風12号による豪雨がもたらした紀伊半島大水害では、勤務していた新宮署日足(ひたり)駐在所も水没。ボートに乗って命からがら、ロープを引いて、新宮市の職員や消防隊員とともに住民ら約50人の避難を誘導した。その後1カ月は避難所で市民らとともに生活。管内6人の犠牲に今でも心が痛む。

 江川駐在所は日高川町の松瀬、和佐、江川、山野を管轄。約850世帯、2200人が居住している。管内も紀伊半島大水害の被災地。水害の翌12年から勤務しており、台風接近時は川の水位を警戒しながら、パトロールで住民に早めの避難を呼びかける。駐在所を訪れた人には新宮署当時の水没した日足駐在所周辺や熊野川はんらん後の写真を紹介。記憶の風化を防ぐとともに防災意識の高揚に力を注ぐ。

 今回の新築移転に「私も心機一転、住民の安全と安心のまちづくりのために努力していきたい」と気持ちも新た。趣味の鉢植えで駐車場を飾り、「管内は協力的な方が多くて助かっていますし、いいところ。地域のふれあいが安全安心につながります。用がなくても気軽に立ち寄って、お茶を飲みに来てもらえたらありがたいですね」と話している。

写真=「地域のふれあいが安全安心につながります」と松本警部補

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