友情も描いた「IT」
- 2020/3/21
- 日高春秋
映画「IT/イット THE END 〝それ〟が見えたら終わり」のDⅤDがレンタル開始されたので観賞した。少年たちが力を合わせて恐怖のピエロと対決するという、ホラー映画の続編。今回は27年後、大人になった主人公たちが再びピエロに立ち向かうストーリーだ。
原作のスティーブン・キングと言えば名作「スタンド・バイ・ミー」の原作者としても知られる。スタンド・バイ・ミーはホラー映画ではなく、少年4人が一つの目標に向かって心を通わせるなど、少年時代特有の奇妙な一体感を表現。一方、「IT」はホラーでありながらも、ピエロをやっつけるという一つの目標で少年たちが一致団結し、絆を深めていくという点では、スタンド・バイ・ミーと共通するものがある。さらに、「IT」の続編ではその少年たちが大人になって久々に再会しても、少年時代に育んだ友情は変わらぬものだと訴えてくる。
以前、日高川町ではこの映画を小学校の先生が児童に見せて問題となった。しかし、単なる恐怖映画ではないので、児童に絆や友情の素晴らしさを説くという意味では観賞させるのもありかもしれないと感じる。確かに人が殺害されるショッキングなシーンが出てくるが、いまどきのスマホやパソコンではプレーヤー同士が銃で撃ち合いしたり、ゾンビをナイフで刺したりするゲームもあり、「IT」はまだましかもしれない。
ただ、「IT」はR15指定。ここも議論の余地はあるが、そうなっている以上、従うべきで、教育の現場ではなおさら。映画を見ること自体は子どもたちにとっていい刺激、勉強にもなると思うので、よりよい映画を選択してあげてほしい。(吉)