全国的に感染が拡大している新型コロナウイルスは本県の観光面でも大きな影響を与えており、高速道路利用の観光客らの減少に伴い、印南サービスエリア(SA)の2月の売上が、前年より1、2割減少したことが分かった。さらに白浜町のアドベンチャーワールドが今月1日から臨時休園、頼りの〝パンダ効果〟も期待できず、減収に追い打ちをかけるとみられている。
県内では感染者が出た湯浅町の済生会有田病院が4日、安全宣言を出して通常業務を再開。新たな感染者も確認されておらず、一定の落ち着きをみせているが、全国的にみれば大阪のライブハウスに行った京都の女性から新たに陽性判定が出たほか、山口県と宮崎県では初の感染者が確認されるなど、全国の感染者は1000人を超えた。そんな中、インバウンドを含め観光は冷え込んでおり、地域経済にも影響を与えている。
印南SAでは2月13日、県内で新型コロナウイルス初確認の発表から一気に客の動きが悪くなったとしており、物産販売、自販機、食堂などを合わせた2月の総売上金は、上り(大阪方面)が前年同月比約86%、下り(白浜方面)が同比約82%に落ち込んでいる。中でも自販機のボタンにウイルスが付着していると警戒するのか、ジュースやコーヒーの売上がほぼ半減。過去にここまで減少したことはないという。金額などの詳細については10日の町村会定例会で報告される。
印南SAは2015年にリニューアルされて以降、年間の売上金が毎年過去最高を更新しており、18年度は3億1700万円だった。19年度もアドベンチャーワールドのパンダ効果などがあって過去最高ペースで推移していたが、2月の減収で帳消しに。さらにアドベンチャーワールドが1日から15日まで休園しており、寺前強己支配人は「最終の3月は例年に比べ半減するのではないか。早く国全体がコロナショックから回復してほしい」と話している。