今も昔も素敵なおひなさま
- 2020/3/2
- 日高春秋
3月3日は桃の節句。先日取材でお邪魔した8カ月の女の子がいるお宅では、立派な七段飾りのひな人形が飾られていた。モダンなデザインの飾り台に凜としたひな人形が並びとても素敵で、やっぱりいいもんだなと思った。そしてこの子の誕生を喜び、健康や幸せを願う家族の気持ちにも触れ、温かい気持ちになった。
筆者にも、そのような気持ちで贈り、飾ってもらっていたひな人形があるが、ここ数年飾れていない。子どものころは、ひな人形を飾ることは心躍る一大行事だった。3姉妹のため、3台並べた七段飾りを前に、誰のおひなさんの装飾が立派で、男びなが一番男前で、女びなが美人かなどとひなあられを食べながら話したことを思い出す。筆者の男びなは、残念ながら美形ではなく、芸人の西川きよしの息子弘志に似ていると言われていたのも楽しい思い出。
ひな祭りは、伝統あるものから、町おこしのために始まった新しい催しまで全国各地で行われており、神社の何十段もの石段に赤じゅうたんを敷き、ひな人形を飾ったり、船に乗せて川を流したり、地域に伝わる人形が見られたりと内容も様々。最近では飾る部屋や収納のスペースの問題などで、段飾りではなく、つるし雛やぬいぐるみのようなコンパクトなひな人形のニーズが高く、子どもにおひなさんの衣装を着せ撮影して桃の節句を祝うことも多いという。見ごたえのあるひな人形は各地に出向き、楽しむのもいいだろう。
古くからの風習が形を変えながらも伝えられるのは素敵なこと。この辺りでは、旧暦にひな祭りを祝う場合もあるので、これにはまだ間に合う。お宅で眠っているひな人形を飾ってみては。わが家の西川弘志も久しぶりにお目見え願おうか。(陽)