世界に誇る和歌山モデル

 新型コロナウイルス感染者は、ヨーロッパやアメリカで爆発的に増えている。イタリアでは25日現在で感染者が7万人に迫り、死者は6800人を超えた。日本国内の感染者は同日現在で1219人、死者は43人(クルーズ船除く)。今のところ、早い対策が奏功しているといっていいだろう。米紙ワシントン・ポストは和歌山県の新型コロナ対策を「和歌山モデル」として賞賛する記事を掲載した。独自のPCR検査基準を設け、徹底した接触者の追跡で感染の連鎖を断ち切ったことはまぎれもない事実だ。

 仁坂知事とともに和歌山モデルの立役者である野尻孝子福祉保健部技監に聞くと、封じ込めができたキーワードは「情報探知」という。最初の感染となった済生会有田病院に関係する医師や患者らに肺炎症状がみられるという情報が、複数の病院の医師から寄せられたことが早期の検査や接触者の追跡を可能にした。現場で真っ先に異変を察知する医療従事者と、全体を把握して指揮する立場にある野尻技監ら行政が日頃から顔の見える関係を築き、ネットワークを構築していたことこそが、和歌山モデルだと。

 ともすれば、有田病院がクラスターとなりえた事態だった。県内の感染者累計は17人で、爆発的な感染を防いでいる。現場との顔の見える関係とは、野尻技監が御坊保健所長のころからよくいわれていたことだ。和歌山モデルならぬ野尻モデルといっていいだろう。新学期からは小中高校も再開する。油断どころか、これからが感染予防の本番ともいえる。野尻技監は手洗いの徹底、体調が悪いなら休む、人込みを避ける――を徹底してほしいといわれていた。やれることを地道に実践するしかない。(片)

関連記事

フォトニュース

  1. わざわざありがとうございます

戦争体験者に聞く 終わらざる夏

  1. 写真=広島県江田島の海軍兵学校へ入校した俊一さん スマートな海軍に憧れて 日高地方の基幹病院であ…
  2. 写真=軍服の左胸につけていた歩兵第61連隊の徽章 連隊の自信と誇りを胸に 「最近、こんな物を手に…
  3. 写真=海軍の軍服に身を包んだ若き日の吉野さん 潜水艦搭乗で胸を病み夭折 今年の連載第1回(8月5…
  4. 写真=保養所で療養していた当時の坂本さん(後列右から5人目) 戦死した兄の敵を討つ みなべ町埴田…
  5. 写真=国民学校時代の体験を話す木下さん 子どもたちの生活にも暗い影 1931年(昭和6)の満州事…

Twitter

書籍レビュー

  1. 写真=よい睡眠について語る木村さん  ヤクルト御坊センター主催の健康教室が、美浜町吉原の新浜集…
  2.  還暦を過ぎても精力的に新作を発表し続ける東野圭吾。木村拓哉と長澤まさみ主演で映画化もされた人気シリ…
  3.  1945年8月15日正午、天皇陛下がラジオで国民に向けて終戦の詔書を読み上げ、国民はこのいわゆる玉…
  4.  テレビで見ない日はないぐらい、ニュースを視聴者に分かりやすく解説してくれるジャーナリスト池上彰氏。…
  5.  元アニメーターで江戸川乱歩賞作家、真保裕一の「行こう!」シリーズ最新作。今年5月に文庫化されました…
ページ上部へ戻る