現実の混乱は映画以上?

 約10万年前、宇宙から飛来した円盤が地球に引き寄せられ、炎に包まれ南極へ落下した。1982年の南極。ノルウェー隊のヘリが1匹の犬を追って、米国隊の基地に現れ、銃や手榴弾で執拗に犬を追うが、ノルウェー隊員は米国隊員に射殺される――。

 これはいまから38年前に公開された米国映画「遊星からの物体X」の冒頭シーン。ノルウェー隊に何が起きたのか、米国隊は彼らの基地へと向かうが、そこで見たのは酸鼻極まる隊員の焼死体だった。

 米国基地内では逃げ込んできた犬が突如、グロテスクな「物体」に変形し、隊員たちを襲い始める。その謎の物体は宇宙から飛来したエイリアンで、犬や人間に次々とりついては同化、擬態し、宿主を滅ぼしながら増殖していく。

 現実のいま、中国が発祥とされる新型ウイルスが世界に広がり、アジアを中心に感染者が凄まじい勢いで増え続けている。ウイルスは単独では増殖できず、人や動物の細胞の中に侵入して増殖するが、映画の物体Xと同様、宿主を死に至らしめることも。

 映画の物体は、文明社会に広がれば3年ほどで全人類が滅びると分かり、基地内の生物学者が物体を封じ込めるため無線機やヘリを破壊し、隊員たちを孤立させる。基地内ではだれが物体に感染しているのか、仲間同士が疑心暗鬼に陥る。

 現実のウイルス発祥の都市は封鎖され、感染者が周囲の住民から襲撃され、医師は亡くなった患者の家族に暴行を受けた。他の街では、当局が把握していない感染者を通報すれば報奨金がもらえるという。

 大災害や今回のような非常事態には、国民の行動に国柄が表れるというが、かの国の騒動や対応は映画よりも恐ろしい。私たち日本人も国民性が問われている。(静)

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