手話の普及に期待
- 2020/2/28
- 日高春秋
印南町の学童クラブでは昨年7月、社協の子ども手話教室に参加したのをきっかけに、音楽を使った手話学習を実践。音楽に合わせてダンスのように手話をするので、子どもたちが手話に親しむきっかけになっていると思う。また、社会福祉協議会では去る26日まで、5会場の日程で、手話講習ミニコースを実施。参加者は講師の手話通訳者中島美雪さんからあいさつなど手話の基本を学んだ。このように印南町では子どもから大人まで、少しずつだが手話が広がっている。
というのも、同町では2018年9月、手話言語条例を制定。手話が言語であるとの認識に基づき、手話を普及させ、ろう者と共生できる社会の実現を目指すのが目的。法的拘束力が十分あるわけではないが、自治体が率先して、ろう者との共生社会実現に向けた姿勢を示すことは、少なからず住民全体の意識向上にもつながっている。
学童クラブでの手話学習や手話講習ミニコースも町民に手話への理解と関心を高めてもらうために、ぜひ継続してもらいたい。完璧にマスターするには時間がかかるだろうが、まずは少しでも自ら学んでみようという気持ちが大切。講師の中島さんも「手話をする際には伝えたい、理解したいという気持ちと、会話内容に合った素直な表情が大切」などと話していた。完璧にマスターするに越したことはないが、例え手話に自信がなかろうが、多少間違っていようが、ようは相手を思いやる気持ちがあれば、意思疎通は可能だということ。互いに寄り添うやさしい気持ちを持った人が増えれば、だれもが安心して暮らせるまちづくりにつながっていくと思う。(吉)