
4日告示された印南町長選は現職の日裏勝己氏(69)=皆瀬川=以外に立候補の届け出がなく、無投票で3選が決まった。1期目、2期目ともに町を二分する激しい選挙戦となったが、住民目線、安心・安全のまちづくりが浸透し、今回、同町長選で23年ぶりとなる無投票。3期目に向けて「住みたい、住み続けたいまちへ全力で頑張りたい」と意気込みを示した。
この日午後5時を過ぎて町内放送で日裏氏の無投票当選が伝えられると、印南地内の選挙事務所に集まった多くの支持者から祝福の拍手が起きた。
祝勝会では後援会の中村泰介会長(63)が「1期目から大変厳しい船出だったが、前を向いて一生懸命やった実績が、無投票のご褒美となった。皆さんの支援を胸に、日裏は一生懸命頑張ります」とあいさつ。来賓の自民党二階俊博幹事長秘書の二階俊樹氏、県町村会会長の小谷芳正みなべ町長、玄素彰人県議も祝辞を述べた。日裏氏と妻の幸代さん(65)、中村会長に日裏夫婦の孫の日裏ゆめちゃん(7)、露口結彩(ゆい)ちゃん(7)と妹の綾柚(あゆ)ちゃん(3)から花束が贈呈された。
マイクを手にした日裏氏は「本当にありがとうございました」と深々と頭を下げて感謝。朝から街宣車に乗って町内を一巡し、多くの支援や期待に胸を熱くしていたことを振り返りながら、「これだけ多くの人からまちを任されている。しっかりまちを守っていかなければならない」と無投票の重さを強調。「印南町にも多くの課題がある。自然災害に対応して、町民をどこまで守れるのか。町民の幸せをどこに求めればいいのか。私一人で解決できるものではない。皆さんの力を結集して、十分お借りして、達成していかなければならない」と述べ、「希望の持てる印南町に楽しく生活できる、住みたい、住み続けたい、そんなことを実感できるまちをつくるため、死にもの狂いで頑張っていくことを誓う」と声を張り上げた。
マニフェストの「希望を持てる5つのまちづくり」については①住みたい、住み続けたい②子育て・教育の充実③強靭で安全・安心④思いやりと安らぎ⑤地域産業が輝きにぎわい――を掲げており、「民間の力を借りて高台の宅地化を進め、人口減少対策につなげたい。子育て・教育面ではこれまで学校に空調を整備したが、さらにトイレ水洗化やICTの活用も進めたい」などと意欲をみせた。
写真=孫のゆめちゃんから花束を受け取り笑顔満開の日裏氏