戦争が犯す罪の大きさ

 アメリカ軍がイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官を殺害したことで、両国の間で緊張が高まっている。イランが報復を宣言し、7日にイラク国内にある米軍基地などを攻撃した。アメリカも「報復されると、52施設を攻撃する」と明言しており、一歩も譲らない状況だ。中国やロシアなどが介入すれば、「最悪の場合は第3次世界大戦に発展する可能性もある」と懸念する声も▼人類の歴史は戦争の歴史といわれる。日本では弥生時代にはすでに戦いがあったという。近代に至っては第1次世界大戦、第2世界大戦を経験し、多くの命が犠牲となった。終戦からは75年目に入ったが、人類の長い歴史からみると、わずかな期間に過ぎない。未来永劫と平和が続くとは限らず、「日本人は平和ボケしている」とも言われる▼世界に目を向けると、いまも内戦や紛争が起こっている。平和はすべての人たちの願いだが、人類は幾多の悲惨な戦いを教訓として生かしていないといえるだろう▼日本では年明けから成人式が相次いでいる。日高地方でも4日、美浜町、日高町、みなべ町で行われた。振り袖姿の女性らが会場を華やかに彩り、若いエネルギーがみなぎる雰囲気だ。両親にとっても生まれてから手塩にかけて育ててきた子どものことを考えると、感慨深さが込み上げるだろう▼ところが、過去を振り返ると、20歳にもなれば赤紙が届いた時代もあった。同じ世代の若者が「お国のために」と戦地に赴き、一命を捧げた。両親が出兵する我が子を激励し、拍手で見送ったことは想像に耐えがたい。成人の日を前に、戦争が犯した罪の大きさに切なさを感じる。(雄)

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