ひきこもり回復支援 ヴィダ・リブレが4月から事業拡充

 美浜町を拠点として長期のひきこもり状態にある若者らの回復を支援する活動を展開しているNPO法人ヴィダ・リブレ(理事長=宮西照夫和歌山大名誉教授)は、2020年度から日高地方6市町の住民を対象とした新事業をスタートさせる。現在の相談業務とひきこもり状態から抜け出しつつある人たちの自助グループの集団療法(アミーゴの会)を充実させ、利用者は役場等への申請も不要となるためプライバシーも完全に守られるのが大きなメリットとなる。

 ヴィダ・リブレは現在、御坊、美浜、由良、日高川、印南の5市町とそれぞれ個別に契約し、補助金を受けて毎週2回のひきこもりに悩む本人や家族からの相談、毎週土曜の他のひきこもり状態の人や自身もひきこもりの経験があるメンタルサポーターらと交流できるアミーゴの会を中心に社会復帰を支援している。

 しかし、現在は専門家の相談を受けたりアミーゴの会に参加するには各役場への申請が必要で、プライバシーが完全には守られないため、利用を希望しながら二の足を踏む人が少なくないという。

 4月からは、御坊保健医療圏(みなべ町を除く日高地方)の6市町が足並みをそろえ、ヴィダ・リブレに御坊・日高圏域ひきこもり者サポートセンター事業(仮称)を委託。ヴィダ・リブレは国からも補助金を受ける予定で、利用者は現在、補助に上限がある利用料が無料となるほか、ヴィダ・リブレに相談のうえ利用が適当と認められれば、役場に申請することなく相談やアミーゴの会に参加できるようになる。

 サポートセンターでは臨床心理士や精神保健福祉士の資格を持つスタッフを2人常駐させ、現在、毎週土曜のみのアミーゴの会を週5日に拡充。土曜は精神保健福祉士や社会福祉士、臨床心理士のほか、英語の教員資格やコンピュータプログラムの専門家といったメンタルサポーターが集団療法を指導し、精神科医の宮西理事長(70)やベテランの臨床心理士もできる限りバックアップする。

 宮西理事長は「ヴィダ・リブレの強みは、なんといってもスタッフのほぼ全員がひきこもり経験者であるということ。ひきこもり状態にある人は、親や学校の先生にはなかなか心を開いてくれませんが、同じ境遇を経験したメンタルサポーターには自分と同じ〝ひきこもり臭〟のようなものを感じ取り、趣味の話などを通じて少しずつ外に出ようという気持ちを強くしていきます。4月からはプライバシーが完全に守られる形で利用できます。ひきこもりに苦しんでおられる本人、ご家族は気軽にご相談ください」と話している。

写真=事業について説明する宮西理事長

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