香港の現実が見えないか

 議会とは敵意と嫉妬が渦巻き、人間の最も凄まじい闘争本能が凝縮した場だ――。というのは元大阪市長橋下徹氏の現職時代の言葉。議会も役人も自らの既得権益に関する問題は冷静な議論ができず、最後は橋下氏らしく選挙という戦に打って出た。

 首長と議会の対立といえば、以前、担当した町もそうだった。選挙に勝って当選を果たした新首長に対し、議員が問題の経緯をただし、責任を追及するのは当然の姿ではあるが、あまりのしつこさに首をかしげることも少なくなかった。

 米国では大統領選が1年後に迫り、民主党がトランプ大統領に関する新たな疑惑を持ち出した。ウクライナが進める汚職捜査に絡み、同国の大統領に電話で圧力をかけたというのだが、その圧力とは次の米国大統領選の民主党の第1候補(オバマ政権時の副大統領)と息子に関する不正の捜査を求めたという話。民主党にはとんでもないブーメランがかえってきた。

 国内では閣僚の失言、辞任、桜を見る会で野党が攻勢を強めている。花見主催者の安倍首相は「すべての費用は参加者の自己負担で支払われた」とし、公選法や政治資金規正法など法的問題はないと説明。攻める側も旧民主党の鳩山首相時に開かれた同じ会に出席しており、構図は米国と同じ。

 本来の政策論争、その実行力ではまるで相手にならない野党以上に、地上波テレビのニュース解説や新聞など、いわゆるオールドメディアと国民感覚のズレが恐ろしい。

 香港ではいまこの瞬間も、若者が自由と民主主義を守るため、命がけで中国共産党独裁政権と戦っている。日本は国会議員とマスコミの底知れぬ敵意と嫉妬心が政治を混乱させ、国家を危うくしている。(静)

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