林さんの短編小説2作 文芸祭で入賞

 総合進学塾、英数スタディー(御坊市藤田町藤井)で小論文、現代文、英語などの講師を務める傍ら小説を執筆している林晋作さん(45)=御坊市野口=が、第13回島崎藤村記念文芸祭と第46回明石市文芸祭にダブルで佳作入賞した。

 いずれも江戸時代を舞台とした短編小説で、島崎藤村文芸祭は「まわりもん」。一文銭を主人公としたユニークな視点で書いた。「わては、いわゆる何やらのまわりもんいうやつです」と大坂弁のとぼけた語り口。病気の母の面倒を見る幼い男の子に拾われ、穴にひもを通して首に掛け、大事にされていたが、ある日「母ちゃんの病気が治りますように」との必死の願いを込められて賽銭箱に。その後、賽銭泥棒に盗られ、料理茶屋で使われ、年月が経つに連れて数え切れない人の手を渡り、裕福な商人の手に渡ろうとしたが「貧乏くさい釣り銭はいらん」と断られる。その商人の目を見ると、まぎれもなくあの坊やだったが…。

 明石市文化祭は「雪だるまに想ふ」。病で寝ている老人、元蔵は庭に積もった雪を見て、父親代わりだった兄、幼なじみ、商いの恩人と、これまでの人生で世話になってきた亡き人達を次々に雪だるまに作っていく。ずらりと並んだ雪だるまは冬日を浴びながら「おまえも早よこっちへ来い」と言っているように見える…。

 林さんはこれまで長塚節文学賞佳作、北九州市文学賞特別賞等の実績があり、俳句等でも入賞を重ねている。島崎藤村文芸祭では、昨年は1席を獲得していた。仕事の傍ら、毎日執筆しており、書かずにいるとストレスがたまるほどだという。

 「この夏は他の賞に応募した作品が最終選考で落とされ、無念さが残る中、今回の結果は執筆を継続している証になったと思います。限りある時間を大切にし、引き続き、継続あるのみです」と今後への決意を話している。

写真=佳作入賞の原稿を手に林さん

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