御坊の橋本家住宅 国の有形文化財登録へ

 国の文化審議会は15日、御坊市湯川町小松原の橋本太次兵衛家住宅の新座敷など3件を登録有形文化財(建造物)にするよう文部科学大臣に答申した。これで同市内の登録有形文化財は9カ所、30件となり、湯川地区では初めての登録。今回の3件はいずれも国土の歴史的景観に寄与しているものとして、新座敷は「比較的小規模かつ建ちの高い外観に独特のものがある」などと評価された。

 登録されるのは新座敷のほか、旧米殻集荷事務所と土塀。橋本太次兵衛家住宅は旧熊野街道沿いにあり、橋本家は近世から肥料商と砂糖問屋を営んだ。近代になって多くの田畑を取得。地元で屈指の大地主になった。屋敷は南北に通じる街道を挟んで東西に構えられている。西側が主な屋敷で、近年建て替えられた主屋のほか、北側中央に新座敷が建ち、街道東側の屋敷は当家の米穀集荷事務所として使われた。

 新座敷は木造2階建て、瓦ぶきで、東側に入口を構え、1912年に行われた先々代の嫁入りに際し、庭園とともに造られたと伝えられている。正面にむくり破風を付けた玄関を構える建ちの高い独特の外観。玄関を入ると踏み込み土間を設けた取り次ぎの間、その西側が8畳間の座敷になっている。2階は8畳1室。1階と同じように北側に床の間が配置されており、視界を2方に開放した心地のいい座敷で日高平野の眺望を楽しめる。

 旧米穀集荷事務所は街道を挟んだ主屋に向かい合って建つ、ペンキ塗りの洋館。大正後期に建築されたと伝えられており、戦後は46年から80年まで、湯川郵便局の局舎として使われた。木造平屋建て、瓦ぶきで、外壁は下見板張り、ペンキ塗りの洋風の造り。正面玄関庇の軒先飾りや繰形を繰った下見板など華やかな意匠が特徴。「郵便局として使われた歴史もあり、町並みのシンボル的な存在」と評価された。

 土塀は事務所の北側にあって、屋敷と街路を画し、北側は水路に接している。瓦ぶきで高く石垣を積んで、表面はモルタル洗い出し仕上げ。上部は鉢巻を作る。短いが丁寧な基礎石積みのうえ、洗い出し仕上げの壁面に瓦をふいた上質なもので、敷地の北面を引き締めている。これも大正後期に建てられたと考えられており、「これら建築群は近代における日高地方屈指の大地主によるもので、地主経営と接客空間の一端を伝える貴重な地域の文化財。熊野街道沿いにあって、歴史的景観の形成に寄与している」と評された。

写真=橋本家住宅の新座敷

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