
秋季近畿地区高校野球大会県2次予選は5日に準決勝、6日に決勝が、いずれも紀三井寺公園野球場で行われた。本紙エリア勢は、準決勝で和歌山南陵が新人戦の覇者・市和歌山に劇的なサヨナラ勝ち。決勝で智弁和歌山に敗れたものの、来春の選抜出場校を選ぶ際の重要な参考資料となる近畿大会(10月19日~、奈良県)の進出を決めた。南陵の近畿出場は2016年の創部以来、春秋通じて初。日高中津は智弁和歌山に惜敗、決勝進出を逃し、来春の甲子園は絶望的となった。
▽準決勝
市和歌山
0000000000
0000000011
和歌山南陵
南陵は9回、先頭の松尾が死球で出塁。代打・中山の犠打で1死二塁と好機を広げると、2死後、尾場瀬が低めの変化球をうまく中前へ運んでサヨナラの1点をもぎ取った。8回には無死一、二塁からバント失敗などもあって無得点。嫌なムードが漂ったが、頼りになる主将の一打で近畿出場権を手にした。
打線は市和歌山・岩本に5安打に封じられるなど振るわなかったが、守っては先発・浜が4安打完封の快投。右サイドから力強い速球を投げこみ、新人戦を制した強力打線に本塁を踏ませなかった。
▽決勝
智弁和歌山
0000213006
0000002002
和歌山南陵
南陵は6点差をつけられた7回、智弁和歌山3番手・小林樹斗の代わりばなを攻め、前川が内野安打。続く赤嶺が左中間を深々と破る適時二塁打を放ち、さらに1死三塁とした後、田中の右犠飛で得点した。
6回までは智弁和歌山の2投手の前に無得点。8、9回も立ち直った小林樹斗に抑えられ、反撃は7回の2点だけだった。
先発・古家は6回3失点。準決勝好投の2番手・浜も3回3失点で試合の流れを引き寄せられず、初優勝には届かなかった。
岡本哲司監督 一戦一戦力をつけ、どこが相手でも戦えるようになってきた。近畿大会では打線を組み替えるなど、できる限りの手を打ち、全力を尽くしたい。
尾場瀬寛太主将(2年) 和歌山1位で近畿へ行きたかったけど、相手のペースにはまってしまった。近畿では全員でチャンスを広げて得点に結びつけ、粘って粘って勝ち上がりたい。
▽準決勝
日高中津
0000001012
01000030×4
智弁和歌山
日高中津は7回1死満塁から太田の右犠飛で同点。3点を追う9回にも太田の中前適時打で追い上げたが、及ばなかった。4回と6回、いずれも先頭打者が二塁打を放ったが無得点に終わり、最終回は1点返した後、1死一、二塁から走塁死で好機を生かせなかった。
投手陣は先発・太田が後半つかまり、7回9安打4失点。7回無死から1本塁打を含む3連続長打を浴びて降板した。2番手・土川は2回を無安打無失点に抑えたが、実らなかった。
写真=和歌山南陵―市和歌山、南陵は9回に尾場瀬の中前打で松尾がサヨナラの生還