津波防災の日を前に災害への意識

 11月5日は津波防災の日。津波や台風などの自然災害に対して知識を深め、対処する心構えを準備するという趣旨で、東日本大震災が起こった2011年に制定された。1854年の旧暦の11月5日に起こった安政南海地震に由来。この地震の津波では広川町の濱口梧陵が稲むらに火を付けて村人たちを避難させたことでも有名だ▼日高地方でも大きな災害が起こっている。昨年は台風20号で家の瓦が飛ばされるなどの被害が続出。停電も長期間にわたり、住民の生活に大きな支障が出た。11年の紀伊半島水害では死者が発生したほか、集落が孤立するなどの被害を受けた。ここ数年のうちでも、いままで体験したことのないような災害に見舞われた。全国的にも近年は災害が発生する度に「何十年に一度の災害」などという言葉をよく耳にするようになった。それだけ想定ができないような災害が頻繁に発生する時代に入ったといえるのではないか。過去からの災害対応を見直さなければならないのは当然だろう▼さらに紀伊半島では南海トラフの巨大地震が懸念され、今後30年以内に発生する確率は70~80%といわれている。海側のプレートが陸のプレートの下に沈み込み、限界に達すると、一気にズレ動いて大地震になるといわれているから、年月が経過すればするほど危険性が高まる。国の最悪の想定では、全国で32万3000人の死者が出るという。日高地方でも大きな被害が予想される▼過去の大震災で何が起こったのかをもう一度考え直し、いま何ができるのかと自分自身に問いただすことが重要。万一の時は、慌てることなく、梧陵のような冷静な判断も必要だ。(雄)

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