災害に役立つドローン
- 2019/9/6
- 日高春秋
ドローン(無人航空機)は空撮をはじめ測量や農薬散布、宅配などさまざまな分野での活用の幅が広がっている。そんな中、地震や大雨、土砂災害などの災害現場でもドローンは有用であるとされている。
先日、印南町でNPO法人次世代エネルギー研究所と同町が共催する災害対応のドローン実証実験が行われ、災害で孤立した地域を想定してドローンで衛星携帯電話や無線機、AEDの空輸が行われた。ドローンは安定に飛行し、無事目的地まで物資を届けることに成功。海岸部ではドローンによるサーチライトでの捜索や音声での避難勧告も行い、災害時に役立つことが確認された。
印南町ではドローン隊を結成して、20人の隊員は操作技術者資格を取得。3台のドローンを所持してすでにさまざまな場面でドローンを活用している先進自治体だが、今回の実証実験を受けて職員一人一人がさらにいい刺激を受け、高い危機意識を持つことにつながったと思う。近隣町からは美浜町の籔内美和子町長が見学に来ていたが、他の自治体でもこういったドローンの活用が広まることに期待したい。
現行の国の規制ではドローン本体と荷物の重さ合わせて25㌔以内に抑えなければならないため、今回は6㌔までの荷物を運ぶのが限界。水や食糧などの搬送はヘリでもできるが、山間部で小回りがきく形で行うためには、ドローンでもっと多くの荷物を運べるよう、規制緩和が必要ではないかと思う。生死にかかわる緊急時には人でもドローンで運ばなければならない時があるかもしれない。いずれにしてもICTの活用で住民の安心、安全につなげてほしい。(吉)