自然を甘く見ず、危険を認識

 夏休みもあと1週間程度となったが、ことしの夏も各地で水難事故が相次いだ。当地方では8月1日に日高川で川遊びしていた紀の川市の男性(27)が溺れて死亡する事故が発生。全国的には10日から盆の期間にかけて頻繁に起こったのが特徴といえる。連休で海や川に出かける機会が多くなった時期だが、台風10号が日本列島に接近。普段より波が高くなり、海で溺れる事故が多発した。しかし、そのほとんどが危険に対する認識があれば防げたのではなかろうか。

 昔から「盆は海や川で泳ぐと、霊に足を引っ張られる」と言われた。「海や川で亡くなった霊が戻ってきて、生きている人が泳いでいると、あの世に一緒に連れて行こうとする」と理由を聞かされた。しかし、ネットなどで調べてみると、ただの迷信だけではないようだ。

 この時期、台風が発生しやすく、うねりが起こり、大きな波の土用波が発生しやすくなる。他にも波打ち際から沖合に向かって速いスピードで流れる離岸流が起こることがある。離岸流に流されると、水泳選手でも岸にたどり着くことはできないという。昔の人たちはこうした危険要因を経験から感じ取り、「盆は海や川に近づくな」という言い伝えとして、いまに受け継がれているのだろう。

 海水浴に限らず、アウトドアを楽しむ時は自然を甘く見ず、危険をきちんと認識することが大切。何よりも人間は自然の力の前には無力であることを自覚し、危ないと思う場所から立ち去ることが肝心だ。それはこれから秋にかけて襲来が懸念される台風についても同じこと。早い避難が身を守ることにつながる。(雄)

関連記事

フォトニュース

  1. ボクはどれにしようかな

写真集

戦争体験者に聞く 終わらざる夏

  1. 乳飲み子抱え上海から引き揚げ 御坊市島に暮らす98歳の嘉美(よしみ)さんは、1921年(大正1…
  2. 34年前、活字にならなかった一冊の本 活字の本として出版されることのなかった、一冊の戦争体験集…
  3. 船団護衛の海防艦で南方へ 1923年(大正12)8月19日、夏目英一さん(95)は日高郡旧野口…
  4. 千人針と250人分の寄せ書き発見 「あれ、これは何やろ」 1999年(平成11)8月、母の薫(か…
  5. 飛行兵志願も母が反対 小瀬輔造さん(89)は1930年(昭和5)1月7日、日高川町…

日高地方などのイベント情報

  1. 南部梅林

    2月 1 @ 12:00 AM - 3月 1 @ 12:00 AM
  2. ごぼうまちゼミ

    2月 8 @ 12:00 AM - 3月 15 @ 12:00 AM

Twitter

書籍レビュー

  1.  「バイバイ、ブラックバード」を読むと、原典に当たる太宰治の「グッド・バイ」が読みたくなったので、文…
  2.  作者の生まれは明治18年。明治45年に執筆され、初版は大正10年とかなり古いですが、繊細な描写が特…
  3.  6月19日は桜桃忌。芥川龍之介の河童忌、司馬遼太郎の菜の花忌ほど有名ではありませんが、太宰治の命日…
  4.  銀行に7年間勤務した経験を持ち、「半沢直樹」「陸王」「ルーズヴェルト・ゲーム」など人気ドラマの原作…
  5.  幅が狭く、カーブが続き、前から車がくればすれ違うこともできず、一つ間違えば谷底に転落してしまう…。…
ページ上部へ戻る