
美浜町の地方創生事業「日の岬・アメリカ村の再生とふるさと教育」の一環で、語り部ジュニア養成教室「Let’s KATARIBE」のメンバーら19人が今月1日から7日まで、カナダを訪問。現地の多くの日系人と交流し、これまで学習した三尾のカナダ移民の歴史などを英語で発表し使節団としての役目を果たした。
バンクーバーに到着後、日本総領事館を訪問。美浜からの移民が多く移り住んだスティーブストンでは現地の県人会メンバーと面会し、籔内美和子町長から託された親書を手にリッチモンド市役所を表敬訪問するなどした。
3日目は、かつて日系人のまちだったパウエル村で開かれた日系人の祭り「パウエル祭り」を見学。語り部ジュニアはこれまで学習してきた三尾のカナダ移民の歴史や現在の様子などを英語で発表し、自分たちで制作した美浜町や三尾を紹介する動画も上映。三尾に伝わる盆踊り「三尾房州音頭」も踊り、現地日系人と一緒に楽しんだ。4日目は、日系少年野球チーム「バンクーバー新朝日軍」とミニ運動会やピザパーティーで友好を深めた。
語り部ジュニアの栗林愛結さん(和歌山信愛大1年)=日高川町和佐=は「パウエル祭りで発表したとき、大勢の人に聞いてもらい、現地で昔の移民の人たちが大変だったことなども聞き取りができた。カナダについて初めは緊張してあまり話せなかったが、野球チームとの交流では、自主的に話すよう頑張ってたくさん会話ができ、自分自身少し成長できたように思います」。橋本行平君(桐蔭高3年)=美浜町和田=は「パウエル祭りのプレゼンで、来場者からたくさん反響があり手ごたえを感じました。語り部ジュニアに参加して、英語力も上がり、大勢の前での発表もいい経験になりました」と笑顔で話していた。
柳本文弥団長は「最初は声が小さかったり、表現が苦手な子もいたが、今までの学習の成果を50人以上の人の前で堂々と発表し、よく頑張ったと思います。この経験を語り部としても、将来にも生かすことができれば素晴らしいです。今回の交流や見学、発表で学んだことを町や三尾にしっかり伝えることが次のステップと思っています」と話していた。
写真=日系移民にゆかりのある現地の少年野球チームメンバーらと