県防除指定の「ジギタリス」 川又でも見つかる

 県の外来生物対策条例に基づき、防除対象種に指定される見通しの外来植物「ジギタリス」が、印南町川又観音の周辺でも見つかった。爆発的に増えることから貴重な在来植物を圧迫する恐れがあり、すでに奈良県では異常繁殖し、大きな問題になっている。和歌山県ではいまのところ生息が確認されている田辺市の護摩壇山を防除エリアに指定する考えだが、他の地域での発見情報もあり、防除エリアの拡大も検討していく。

 外来生物対策条例は県内の生態系や社会経済、人体に影響を及ぼす外来生物(植物)の対策を進めようと、今年4月から施行。615種の外来種リストを作成しており、今後、大きな被害を出す恐れがある種類を防除対象種に指定、対策を行っていく。その防除対象種の指定第1号として挙げられているのが、ジギタリスとアフリカツメガエルの2種で、6月13日、県環境審議会に指定を諮問。今月下旬にも答申が出される。

 ジギタリスはヨーロッパ原産のゴマノハグサ科の植物。釣り鐘状の花をいくつも咲かせる。山間部の冷涼な地域を好み、種子が細かく風に乗って運ばれることもあるため、生息地域が広がって爆発的に繁殖し、在来植物の生育を阻害する恐れがある。印南町川又観音のジギタリスは、6月13日、現地を訪れた日高新報の記者が駐車場周辺の山肌に生えているのを見つけ、鈴なりになったきれいな花だと思い撮影。その後、県の防除対象種に指定される見通しとなっていることを知り、県立自然博物館に写真を送って確認したところ、ジギタリスだと確認された。同館の学芸員によると、「観賞用で一般家庭でも栽培されているが、花や葉などに毒性が強く、食べると胃腸障害、おう吐、下痢、頭痛などが起き、重症になると死亡することもある。野生のものは駆除した方がよい。高野町の林道沿いでも生えているのを見つけ引き抜いた」と話している。

 川又観音の総代長を務める谷口晴太郎さん(72)は「だれかが植えたのか、野生のものなのか分からないが、2、3年前から増えてきた。防除対象になるような花とは知らなかった。気を付けておきたい」と驚いた様子。県自然環境室では「ジギタリスが防除対象となれば、当面は護摩壇山を防除エリアに指定し、ボランティアらの協力も得ながら抜き取りなどで根絶を図っていくが、他の地域でも見つかっており、生息エリアが広がっている可能性がある。そういった地域も防除エリアに指定するなど対策を検討する。一般家庭の観賞用まで防除対象とするものではないが、種が飛ばないよう花が終わったら摘み取るなどの協力も呼びかけていきたい」と話している。

写真=川又観音で見つかったジギタリス(今年6月13日撮影)

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