県が公共交通研究会開く

 県の今年度第1回地域公共交通研究会が7日、日高振興局で開かれ、日高地方7市町の交通行政担当者や住民らが参加した。乗合バス事業者の現状や公共交通の維持・確保に向けた取り組み、利用について説明、講話を聞き、意見交換。それぞれ厳しい現状を認識した上で、公共交通に乗って残すため、前向きな考えを出し合った。

 和歌山運輸支局主席運輸企画専門官の河原正明さんが、乗合バス事業者の現状について説明。全国の約71%、地方では約85%の事業者が赤字で、加えて運転者不足のバス会社が8割に上るとし、「利用者減少→運行回数削減→運賃値上げ→利便性悪化という負の循環が起こり、廃止に陥る。地域でできることはバスに乗ること。それは未来への投資」と訴えた。

 県企画部地域振興局総合交通政策課主査の大西健司さんは、県内公共交通の現状や関係機関の取り組みについて話し、維持・確保のために「車を運転できなくなったとき、公共交通は重要な移動手段になるが、維持のための財源には限りがある。高齢者や子どもにとって住みやすいまちを次の世代に残すため、地域住民、交通事業者、行政が一体となって取り組んでいくことが重要」と呼びかけた。

 立命館大学衣笠総合研究機構客員協力研究員の井上学さんは「車だけの生活をしていると、乗れなくなったとき、どこにも出かけられなくなる」と指摘。「公共交通を地域で支える力が必要。廃止が決まったときは遅い。『乗ってみたら意外と便利』。世代を問わず聞かれる感想です。自分ならどうしたら使うか、バスに一度乗って考えましょう」と力を込めた。

 意見交換は御坊・美浜、日高・由良、日高川、印南、みなべの5グループで、「もし自動車を運転できなくなったらどうしますか?~乗って残そう公共交通~」をテーマにまちの課題や取り組み、今後どうやって維持していくかを話し合った。「にぎわいの中心地に合わせたルートの変更」「行動範囲は市町の境を越えるので生活・経済圏域で連携すべき」「老人会で出かけるイベントはできないか」「モデルコースをつくる」「免許返納者へのPR」など前向きな声が続々。日高川町から参加した沖野昭夫さん(65)も「路線バスは残さなければならないが、利用者を減らさずに維持するのは難しい。物を運んだり、もっと夢のあるものにしたり、地域で考えていきたい」と話していた。

写真=グループで意見交換する参加者

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