天文公園に輝く子どもたちの目

 先日、日高川町和佐のかわべ天文公園で開かれた天体観測会を取材した。

 筆者宅の近所にあるが、天文台に入ったのは初めてだった。直径100㌢の大望遠鏡の大きさに圧倒され、ドーム型の天井が360度回転し、設定した方角に開放部分が向くようになっている。「こんなすごいものが、身近にあるのだ」と感激。しかし、1996年にできたこの施設は14年に閉鎖。一般利用はされていなかった。「なんてもったいない!」と思ったが、この天体観測会は地域住民に利用し楽しんでもらおうと、町公民館和佐支館の取り組みだった。訪れた和佐在住の参加者に話を聞くと、筆者同様天文台は初利用だった。親子連れがほとんどで、小学生くらいの子どもたちが、大きな天体望遠鏡で、月のデコボコ、土星の輪、木星のしま模様などを観察。遥か彼方に存在し、図鑑などで見たことのあるその姿に目を輝かし、親たちも楽しんでいた。筆者も見せてもらい、土星の輪に感動。

 筆者が大阪に住んでいたころ、職場の仲間などに「実家の方はどんなところ?」と聞かれると、迷わず「星がきれいなところ」と答えていた。懐中電灯がないと夜道を歩けないとか、夜間車のルームミラーには暗闇しか映らないなど不便でこわいこともあるが、そのお陰で望遠鏡がなくても今にも降ってきそうなほどの満天の星が楽しめる。しばらく眺めていると流れ星が見られることもある。そして、夜空を見上げる時間がある人生はちょっといいと思う。星がよく見える場所は田舎に行くと日本中いくらでもあるだろうが、あんなに立派な望遠鏡がある場所は多くない。天文公園が、自慢の星空を堪能でき、子どもたちが集まり目を輝かす素敵な場所に再生してくれることを願うばかり。(陽)

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