
茨城県の常磐自動車道で起きた「あおり運転事件」を受け、御坊市内のカー用品販売店でも、ドライブレコーダーを買い求める客が訪れている。今回の事件では車内で殴られた時の様子も撮影されていたことから、車内や両側のドアも撮影できる360度タイプの問い合わせが急増。御坊署もドライブレコーダーの有効性を指摘するとともに、交通トラブルを回避するためルールやマナーを守った運転を呼びかけている。
今月10日、常磐道であおり運転をして、無理やり車を停止させた上、相手運転手の男性を複数回殴るなどした疑いで43歳の男が逮捕された。これら一連のあおり運転ではドライブレコーダーが犯行の一部始終を記録。映像はテレビのニュース等で繰り返し放送され、大きな反響を呼んだ。
御坊市藤田町吉田のイエローハット御坊インター店(秋元栄治店長)にも、専用コーナーにドライブレコーダーがずらり。前方録画のモデルから、前と後ろの状況を記録する2カメラ型、フロントから前後左右や車内が映るカメラまで3タイプが並んでいる。
同店によると、以前からドライブレコーダーを買いに来る客は多く、連日スタッフが機能を説明。秋元店長によると、常磐道での事件後、車内で殴られた時の様子も撮影されていたことから、「車内も録画できるものはありますか」という問い合わせが増え、車の前後だけでなく車内や左右のドアを360度死角なく撮影できるタイプを紹介している。
いわゆる「あおり運転」は犯罪。御坊署によると、接近して執拗に追跡(車間距離不保持)、幅寄せ(進路変更禁止違反)、パッシングや近づいてのハイビーム(減光義務違反)、クラクションによる威嚇(警音器使用制限違反)は、いずれも道路交通法違反となり、一定の妨害行為によって相手を死傷させた場合は、危険運転致死傷罪になる可能性がある。
あおり行為を受けたときの対処は「相手を先に行かせる」「人目がある安全な場所に停車する」「安易に車外へ出ず、ロックして110番通報する」がポイント。「危険運転行為には冷静に」と呼びかけている。一方、交通トラブルは意図しない行為から発展する場合があり、同署は「車間距離が近い、ウインカーを出すのが遅い、ライトが上向きのまま…あなたの運転は他の車に迷惑をかけていませんか。マナーを守って交通トラブルを回避しましょう。車の運転は相手の立場になり、思いやりの気持ち、ゆずり合いが大切です」と話している。
写真=さまざまなタイプのドライブレコーダーが並ぶ売り場(イエローハット御坊インター店)