科学の進歩は諸刃の剣

 回転寿司チェーンのスシローは、自動的に皿の枚数を数えることができるシステムを、リニューアルオープンした兵庫県伊丹市の店舗に導入した。これまでは店員が皿の枚数を計算していたが、寿司が回るレーンの上部にカメラを取り付け、客が取った皿をコンピュータが認識し、自動計算するという。アルバイトなど従業員不足に対応し、省力化を図る狙いだ。

 40年ほど前の小学生の時、担任の先生が「将来はロボットが普及し、働く人がいらなくなる時代が来るかもしれない」ということを話していたことを覚えている。当時と比べると産業ロボットが飛躍的に普及し、自動車産業などで大きな成果は挙げたと言えるだろう。

 しかし、現状の日本は労働力不足。要因は人口の減少が大きいといわれ、従業員が足りずに倒産や閉店に追いやられるケースもあるという。人口は2008年の1億2808万人がピークで、その後は毎年10万人規模で減少。53年には1億人を下回る見込みで、データ的にはさらに拍車をかけることになる。

 そんな中、いま注目を集めているのが人工知能(AI)。人間の脳が行っている知的な作業を、コンピュータで模倣したソフトウェアやシステムが行うことができる。人が使う自然言語を理解したり、経験から学習したりすることも可能という。将来的には人間の知能を超え、発明などすべてを担うことになるかもしれないという専門家もいるほどだ。

 そうなれば、労働不足の解消というより、人間が働き場を失ってしまう可能性さえある。科学の進歩は人間にとって諸刃の剣となるのではないか。(雄)

関連記事

フォトニュース

  1. みんなずっと友達だよ

写真集

戦争体験者に聞く 終わらざる夏

  1. 乳飲み子抱え上海から引き揚げ 御坊市島に暮らす98歳の嘉美(よしみ)さんは、1921年(大正1…
  2. 34年前、活字にならなかった一冊の本 活字の本として出版されることのなかった、一冊の戦争体験集…
  3. 船団護衛の海防艦で南方へ 1923年(大正12)8月19日、夏目英一さん(95)は日高郡旧野口…
  4. 千人針と250人分の寄せ書き発見 「あれ、これは何やろ」 1999年(平成11)8月、母の薫(か…
  5. 飛行兵志願も母が反対 小瀬輔造さん(89)は1930年(昭和5)1月7日、日高川町…

日高地方などのイベント情報

現在予定されているイベントはありません。

Twitter

書籍レビュー

  1.  「バイバイ、ブラックバード」を読むと、原典に当たる太宰治の「グッド・バイ」が読みたくなったので、文…
  2.  作者の生まれは明治18年。明治45年に執筆され、初版は大正10年とかなり古いですが、繊細な描写が特…
  3.  6月19日は桜桃忌。芥川龍之介の河童忌、司馬遼太郎の菜の花忌ほど有名ではありませんが、太宰治の命日…
  4.  銀行に7年間勤務した経験を持ち、「半沢直樹」「陸王」「ルーズヴェルト・ゲーム」など人気ドラマの原作…
  5.  幅が狭く、カーブが続き、前から車がくればすれ違うこともできず、一つ間違えば谷底に転落してしまう…。…
ページ上部へ戻る