島根の石見神楽 12月にゆかりの印南で公演

 熊野古道九十九王子の中の五体王子の一つ、印南町の切目王子にゆかりのある島根県の石見神楽(いわみかぐら)が今年12月、同町で6年ぶりとなる公演を行う。切目王子の観光客増加へ、町が整備する公衆トイレの完成に合わせた招致。石見神楽は先月20日、文化庁の日本遺産に登録されたばかりで、伝統芸能に親しむ貴重な機会となりそう。

 石見神楽は神楽の様式の一つで、島根県西部(石見地方)と広島県北西部(安芸地方北部)に伝統芸能として受け継がれている。演劇性、エンターテインメント性を強めた大衆的な芸能として発展。一般的な神楽のイメージとは違い、「軽快かつ激しいはやしと舞い」が特徴で、演目の中に切目王子を舞台にした演目があり、印南町にも縁の深い伝統芸能となっている。先月、石見地方の9市町を舞台とするストーリー「神々や鬼たちが躍動する神話の世界~石見地域で伝承される神楽~」が日本遺産に登録された。

 同町では、2003年の文化協会創立30周年記念事業、翌年の熊野古道世界遺産登録記念、13年の同協会創立40周年記念事業で石見神楽を招致。体育センターでの公演や切目王子での奉納を行った。今回が6年ぶり4回目。日本遺産登録後は初めてとなる。

 現在、切目王子の観光客数は熊野古道ウオーキングや地元の秋祭りの参加者などを合わせて年間2000人となっており、町では3000人に増やす計画。おもてなしの一環で神社前の空き地へ公衆トイレを整備し、完成に合わせて石見神楽の公演を行う。いまのところ2社中を招き、12月下旬の開催を予定している。公衆トイレの整備費は約3000万円。石見神楽の招致は印南町歴史文化研究会に委託するため、同会への補助金150万円を追加した。

 平尾潔司教育長は「“ほんまもん”の日本の伝統芸能が地方で見られる機会。町の文化財の発信にもつながる。大人は一定の入場料をいただきたいが、子どもは無料を検討したい」と話している。

写真=軽快かつ激しい石見神楽(写真は2013年の公演)

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