女子スポーツの黎明期

 後輩の女性記者、「陽」記者が先日、高野山・龍神温泉ウルトラマラソン50㌔の部に出場。無事完走した。5㌔歩けといわれても無理だと思える筆者にはあり得ない体験だが、翌日も翌々日も休むことなく元気に仕事をしている。頼もしい限りである◆今でこそ女子アスリートの活躍は多くの人に勇気を与えているが、かつては「女が運動などしては体を壊す」という価値観が常識だった。NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」はここ数回、女子スポーツの黎明期を紹介。22話「ヴィーナスの誕生」は最低視聴率を更新したが、内容的には「神回」だと絶賛の声が上がっている◆中村勘九郎演じる主人公の金栗四三は高等女学校教師となり、周囲の反発にもめげず女子体育を奨励。生徒の一人は素足にスパイクを履いて走り、新記録を出す。だが学校関係者は「女子が公衆の面前で足をさらけ出すなど由々しき問題」と騒ぎ、四三を退職させようとする。四三を「パパ」と呼んで慕う生徒たちは憤然と立ち上がり、旗を掲げて教室にたてこもる―という展開◆「男子がよくて女子が悪か理由ば、お聞かせ願いたい!」並み居るお偉方を前に、叩きつけるように熱く問う四三。名場面である。「女らしさなんて誰が決めたの。男でしょ」「だったら男らしさも女に決めさせるべき」少女達も雄々しく叫ぶ。高々と旗を掲げた彼女たちはドラクロワの名画「民衆を導く自由の女神」を思わせる、との声もネットにあった◆多くの人の努力を経て、男も女も自由にスポーツができる現代。運動が苦手でそんな時代の恩恵をこうむったことはあまりなかったが、横に広がり続ける体型に健康不安もあり、心を入れ替えなければと思っているところである。(里)

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