
日高川町小熊に建設された町防災センターの竣工式が18日、現地で行われた。久留米啓史町長をはじめ県議、町議、区長、消防団員ら関係者約120人が出席。久留米町長は式辞で新たな「防災、減災態勢の拠点」の完成に喜びを表したうえで、万一の際の避難所、救援物資の集積所などの役割、日ごろの防災に関する学習の場としての活用に期待を込め、より一層の安全、安心の町づくりを誓った。
防災センターは鉄骨平屋で、延べ床面積は約1500平方㍍。施設内には500人以上を収容できる避難スペースや調理室、トイレ、炊き出し場などがあり、6000人の一日分の非常食も備蓄している。平常時は災害についての研修の場として利用。災害に関する展示物、消防などへの通報や消火、浸水した扉の重さを体験できるコーナー、過去の水害や地震を映像で学べる防災学習シアターも設けられている。2015年度に事業着手。総事業費は約8億3000万円。
施設内の防災イベントスペースで行われた竣工式の式典には二階俊博自民党幹事長秘書の二階俊樹氏、日高郡町村会副会長の松本秀司日高町長、県の防災担当者らも出席。久留米町長は式辞で1953年の紀州大水害、2011年の紀伊半島大水害などで、日高川の氾濫や大規模な土砂災害に見舞われたことを示しながら、近い将来発生が懸念される巨大地震への備えの必要性を強調。「過去に発生した災害の経験を生かし、後世に伝えていくとともに、災害に対する備えをすることが、いまを生きる私どもの責務」と述べ、「この防災センターが町の防災、減災態勢の拠点として災害時には避難所や救援物資の集積拠点として重要な役割を担うことを期待するとともに、平常時は防災に関する学習の場として活用されることを切に願う」と期待を込めた。来賓祝辞では町議会の熊谷重美議長が「このセンターの完成を災害に強い町づくりの第一歩としたい」とし、より一層の防災対策、救援活動の推進を約束。久留米町長、熊谷議長ら7人で喜びのテープカットも行われた。
式典終了後に施設内で記念講演があり、小熊広場での餅まきもにぎわった。
写真=新たな防災、減災拠点となる防災センター㊤と、久留米町長(中央)ら7人で喜びのテープカット