
みなべ町の南部湾に浮かぶ鹿島で3日、明神祭が行われ、江戸時代に発生した大地震で、津波の被害を最小限に抑えてくれた大明神に感謝の気持ちを捧げた。
言い伝えによると、江戸時代の1707年の宝永の大地震と1855年の安政の大地震で発生した大津波の際、鹿島が自然の防波堤となって住民被害を抑えたという。
神事は鹿島にある本殿で行われ、船で渡った参拝客ら約80人が参列。鹿島神社の亀井隆行宮司が祝詞奏上などの神事を執り行い、地域の安全などを祈願した。尾﨑葉也瑠さん(大学2年)、尾﨑美友さん(高校3年)、中川七海さん(大学2年)、山本恵未さん(高校2年)の4人の巫女が豊栄の舞を華やかに奉納した。
小谷芳正町長は「元号が梅の花と関わりの深い令和に変わったことを追い風として、今後も町民の安全のために取り組んでいきたい」とあいさつし、葛城知則総代長も「神事は南部郷の伝統文化の一つ。絶やすことなく後世に伝えていかなければならない」と述べた。
写真=地域の安全を願って巫女の舞奉納